【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,782.00  ▼128.65 (12/2)
NASDAQ: 19,403.95  △185.78 (12/2)

1.概況

米国市場は高安まちまちの展開となりました。ダウ平均は15ドル高で取引を開始し、すぐに91ドル高の45,001ドルでこの日の高値を付けましたが、前週末に史上最高値を更新していたことから主力株に利益確定の売りが出やすく下落に転じ、その後は軟調な推移が続きました。

一方で、11月の米ISM製造業景気指数が市場予想を上回り、米経済の底堅さが意識されるなかで下値は堅く、200ドル安の44,710ドルで安値を付けた後は44,800ドル付近で一進一退の動きとなり、最終的には128ドル安の44,782ドルで取引を終えました。一方で、S&P500株価指数は14ポイント高の6,047ポイントで取引を終え、二日連続で史上最高値を更新しました。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合指数も185ポイント高の19,403ポイントで取引を終え、こちらも史上最高値を更新しました。

2.経済指標等

11月の米ISM製造業景気指数は48.4となり、市場予想(47.6)と前回結果(46.5)を上回りましたが、好不況の境目となる50は8ヶ月連続で下回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち、コミュニケーション・サービスや一般消費財・サービス、情報技術の3業種が上げ、いずれも1%以上の上昇となりました。一方で、8業種が下げ、なかでも公益企業は2%超の下落、不動産は1%超の下落となりました。

4.個別銘柄動向

米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中12銘柄が上昇となり、なかでも、マイクロソフト[MSFT]とアマゾン・ドットコム[AMZN]が1%超の上昇となりました。また、アップル[AAPL]とボーイング[BA]、ナイキ[NKE]が1%近く上昇したほか、セールスフォース[CRM]やビザ[V]、シェブロン[CVX]などが小幅高となりました。一方で、18銘柄が下落となり、なかでもアムジェン[AMGN]は2%近く下落しました。また、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]、ハネウェル・インターナショナル[HON]、メルク[MRK]は1%以上下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、テスラ[TSLA]が3.5%上昇となりました。アナリストが目標株価の引き上げを行ったほか、運転支援ソフトウェアFSD(フルセルフドライビング)のバージョン13がリリースされたことが好感されました。また、アパレルのギャップ[GAP]は、アナリストの投資判断の引き上げを受けて、6.4%上昇しました。そのほか、不正会計を巡り上場廃止が懸念されていたスーパー・マイクロ・コンピューター[SMCI]は、不正会計疑惑に関して特別委員会が不正行為の証拠は見つけられなかったと発表したことを受けて、28.7%上昇しました。

一方で、半導体のインテル[INTC]は、業績低迷を受け最高経営責任者(CEO)が即時退任を発表し、警戒感から0.5%安と小幅に下落となりました。また、自動車大手のステランティス[STLA]もCEOが退任となり改革停滞懸念から6.3%下落となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い4.19%となりました。ドル円は、149円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国のハイテク株高を受けて、上昇してのスタートが予想されます。一方で、ダウ平均は下落となったことや今週金曜日には米雇用統計が控えており上値の重い展開が予想されるなか、日経平均は3万9000円を試すような動きを見せるかどうかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)