東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は続落となりました。53銭高とほぼ横ばいで取引を開始した日経平均はすぐに下落に転じました。寄付き前にエヌビディア[NVDA]の決算発表があり、決して悪い内容ではなかったものの時間外取引で下落となったことから、半導体関連銘柄を中心に売りが優勢となり、下げ幅は一時356円安の37,995円まで拡大し、心理的節目の38,000円を下回る場面も見られました。
その後は38,000円が下値として意識され一進一退の展開となり、前場は319円安の38,033円で取引を終えました。後場に入ってから、407円安の37,945円で本日の安値を付けると、その後も38,000円の節目を巡る攻防が続き、結局326円安の38,026円で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース250指数が前日比0.7%高で反発しています。
2.個別銘柄等
エヌビディアが決算を受けて時間外で下落となったことから、半導体関連銘柄は軒並み軟調でした。アドバンテスト(6857)は一時5%近く下落したほか、レーザーテック(6920)やSCREENホールディングス(7735)、SUMCO(3436)、KOKUSAI ELECTRIC(6525)は年初来安値を更新しました。
一方、電線大手3社の株価は取引時間中に急伸しました。エヌビディアの決算を経てAIデータセンター向けの電力・通信需要の拡大への思惑が刺激されたとの見方から買いを集めました。古河電気工業(5801)は一時5.5%高となり年初来高値を更新し、住友電気工業(5802)は一時4.7%高となり上場来高値を更新しました。フジクラ(5803)は一時6.9%高となるも、終値では結局1.0%安で取引を終えました。
みずほフィナンシャルグループ(8411)は一時2.5%高となり、年初来高値を更新しました。三井住友フィナンシャルグループ(8316)と三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は1%未満の下落となりました。
東京瓦斯(9531)は一時5.6%高となり、年初来高値を更新しました。アクティビスト(物言う株主)として知られる米ヘッジファンド運営会社のエリオット・インベストメント・マネージメントが同社株を保有していることが19日に明らかとなり、資本効率の向上を期待した買いを集め、連日で高値を更新しています。
KADOKAWA(9468)は一時6%超下落となり、5日ぶりに反落となりました。ソニーグループ(6758)との買収協議について初期的提案を受けていることを明らかにしましたが、買収報道が伝わってから株価が4割以上上昇していることもあり、一旦材料出尽くしと見た売りが先行している模様です。
VIEW POINT: 明日への視点
エヌビディアが決算を受け時間外で下落となったことから、本日の日経平均は続落となりました。一方、節目の38,000円が下値として意識され、この水準近辺では押し目買いが入っており、現時点ではさらに下値を模索するような動きはみられませんでした。また、エヌビディアの決算自体は決して悪いものではないため、本日の米国市場でどのように消化されるかに注目が集まります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)