選挙後のほうが経済対策への期待が強まった雰囲気

今週(10月28日週)と来週(11月4日週)の株式市場は重要イベントが多く、2024年の中でも最も気の抜けない期間といっても過言ではありません。週明け10月28日(月)の日経平均株価は大幅に反発しました。27日(日)に投開票が実施された衆議院選挙にて与党が過半数を維持できなかったため、週初はショック安の見方が大勢でした。しかし、寄り付きこそ弱気の反応でしたが、早々に売りは一巡し、プラスに転じたあとは上げ幅を拡大する展開となり、38,000円台を回復して、ほぼ高値圏で終えました。

すでに海外投資家は7月後半あたりから売り越し基調(現物・先物合算)を続けており、選挙前でも政権運営に不透明感を強めていました。経済政策への期待などで株買いができる状況ではなかった選挙前よりも、選挙後の方が国民に直結する経済対策への期待が強くなった雰囲気を感じるのではないでしょうか。

今週と来週の株式市場は重要イベントが多数

今週は11月1日(金)発表の米10月雇用統計までの米経済指標をはじめ、米巨大ハイテク企業の決算発表、国内企業の決算発表本格化、10月30日(水)・31日(木)に行われる日銀金融政策決定会合など重要イベントが多数あります。さらに来週11月5日(火)には、大接戦の米大統領選挙が控えている点も手控え(リスクを取らない)要因になるでしょう。

ただ、手控えるばかりでいても仕方がありません。上記の材料やイベントにポジティブに反応するケースが続く場合、週末には水準を大きく切り上げている可能性も高いでしょう。

過去、日経平均は8月上旬の急落から立ち直った後、9月、10月はもみ合いの範ちゅうで動いています。例えば、9月初日の終値は38,700円でしたが、週明け10月28日(月)の終値も38,600円というように、2ヶ月経ってもほぼ同じ水準です。しかしその結果、5日線、10日線、25日線、75日線、200日線と、いわゆる短中長期線が同じ水準に収れんしており、確かに煮詰まっているのです。上か下か?どちらに放れるかは分かりませんが、大きく(2,000~3,000円幅)動き出す間際の現象がみられるからです。