【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,374.36  ▼140.59 (10/24)
NASDAQ: 18,415.49  △138.83 (10/24)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は7ドル高で始まりましたが、四半期決算などで悪材料が出た銘柄が個別に相場を押し下げ、すぐに下落へと転じました。11月の大統領選挙を控えた不透明な状況の中、高値圏で推移していたことから、利益確定売りや持ち高調整の売りが出やすく、下げ幅は一時323ドルを超えるまで拡大しました。

一方、寄り付き前に公表された新規失業保険申請件数が市場予想を上回る改善を示し、労働市場の底堅さが確認されたことで景気敏感株の一部に買いが入りました。また、電気自動車メーカーのテスラ[TSLA]が好決算を受けて急伸したことも投資家心理を支え下値は堅く、午後には下げ幅を縮めました。最終的に、ダウ平均は140ドル(0.33%)安の42,374ドルで取引を終えました。

一方、S&P500株価指数は12ポイント(0.21%)高の5,809ポイントで取引を終え、4日ぶりに反発しました。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も反発し、138ポイント(0.75%)高の18,415ポイントで取引を終えました。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は、前週比1万5000件減少の22万7000件となり、市場予想以上に改善を示しました。また、9月の米新築住宅販売件数は、年率換算で前月比4.1%増の73.8万戸となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は、全11業種のうち一般消費財・サービスやコミュニケーション・サービス、不動産などの5業種が上げ、なかでも一般消費財・サービスは3%超の上昇となっています。一方で、素材や公益事業、資本財・サービスなどの6業種が下げ、素材は1%超下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では11銘柄が上昇し、インテル[INTC]が1.5%超上昇したほか、ゴールドマン・サックス[GS]やマクドナルド[MCD]も1%超上昇しました。その他、アマゾン・ドットコム[AMZN]やセールスフォース・ドットコム[CRM]なども上昇しました。一方、19銘柄が下落し、特に23日に2024年7~9月期決算を発表したアイビーエム[IBM]と24日に7~9月期決算を発表したハネウェル・インターナショナル[HON]がいずれも5%以上の大幅安となりました。また、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が2%超下落したほか、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]やナイキ[NKE]、ボーイング[BA]、スリーエム[MMM]、コカ・コーラ[KO]なども1%以上下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車メーカーのテスラは第3四半期決算でEPSが市場予想を上回り、営業利益率も10.3%と市場予想の約8%を上回りました。加えて、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が来年の納車台数の伸びが20%~30%になるとの見通しを示したことが好感され、21.9%上昇の大幅高となりました。また、企業の業務改善を支援するクラウド型プラットフォームを提供するサービスナウ[NOW]は、第3四半期決算でサブスクリプション収益が前年同期比22.5%増となり市場予想を上回ったほか、通期見通しも上方修正したことで5.4%上昇しました。そのほか、注射薬に関連するヘルスケア製品の設計・製造を手掛けるウェスト・ファーマシューティカル・サービシズ[WST]も好決算を受けて15.4%上昇しました。

一方、貴金属採掘会社のニューモント[NEM]や空調製品を提供するキャリア・グローバル[CARR]が決算を受けて下落しており、ニューモントは14.7%下落、キャリア・グローバルは8.8%下落しました。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い4.21%となりました。ドル円は円高方向に動き、151円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、高安まちまちとなった米国市場を受けて、小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は衆議院選挙前の最後の取引日となり、不安定な動きとなりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)