【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,512.00  △431.63 (10/9)
NASDAQ: 18,291.62  △108.70 (10/9)

1.概況

米国株式市場は主要株価3指数が揃って上昇しました。ダウ平均は、高値圏にあることから利益確定売りなどにより10ドル安で始まりましたが、中国の財政支援策による世界経済への好影響への期待などから押し目買いが入り、上昇に転じました。また、原油先物価格の続落でインフレ懸念が和らいだことや、米国景気への警戒感も薄らいでいることから、幅広い銘柄が買われ堅調に推移しました。午後には、9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨が公表され、数人の参加者が0.5%ではなく0.25%の利下げを支持していたことが判明しましたが、市場では無難に消化されました。最終的にダウ平均は431ドル高の42,512ドルで取引を終え、史上最高値を更新。S&P500指数も40ポイント高の5,792ポイントと続伸し、史上最高値を更新しました。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も続伸し、108ポイント高の18,291ポイントで取引を終えました。

2.経済指標等

8月の卸売在庫は前月比0.1%増と、速報値の0.2%増から小幅下方修正されました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、ヘルスケアや情報技術は1%以上上げています。一方、公益事業とコミュニケーション・サービスの2業種が下げました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、28銘柄が上昇し、特に米経済のソフトランディング期待から景気敏感株が買われ、ハネウェル・インターナショナル[HON]は3%超上昇、キャタピラー[CAT]は2%超の上昇となりました。そのほか、アイビーエム[IBM]やナイキ[NIKE]が2%以上上昇しています。一方で、ボーイング[BA]とセールスフォース・ドットコム[CRM]の2銘柄が下落し、特にボーイングは従業員のストライキの長期化に加え、債務格付けの引き下げ懸念が重荷となり、3%超の下落となりました。

ダウ構成銘柄以外では、クルーズ船運営のノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス[NCLH]やカーニバル[CCL]がアナリストの投資判断や目標株価の引き上げを受けてそれぞれ10.9%、7.0%の上昇を記録しました。一方、アルファベット[GOOG]は、司法省がグーグルの検索サービスが違法な独占状態にあるとの判決を下し、ChromeブラウザやAndroid事業の一部分割が命じられる可能性が明らかになったことで、1.6%下落しました。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%高い4.07%となりました。ドル円は、円安方向に展開し149円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。そうしたなか、日経平均はドル円の動きをにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)