子供の頃目を輝かせて観ていたTV番組や映画の世界が今まさに現実のものになっています。

僕が幼稚園の時だったと思うのですが、当時キャプテン・ウルトラというSF宇宙番組があり、インターネットもない時代、この番組は当時の私にとって最高のエンタメの一つでした。 その番組には、地球と宇宙間でテレビ電話のやり取りをするといったシーンがあったのです。当時の通信の手段はあの黒いダイヤル式の電話だけでしたので、とてもカッコいいなとワクワクしていたのを思い出します。

それから10年以上が経ち私がアメリカの高校へ留学していた時、日本からの電話は3分間で4,000円近くかかっていた記憶があります。それが今やインターネットの普及を含む技術の進化により、スマホやPCを持っていれば世界中の誰とでも音声だけでなく、非常にクリアな画面で、しかもタダでSF番組と同じようなやり取りができるのが普通のことになりました。 しかも話す言語が違う相手との同時通訳もほとんどタダに近い料金で可能になったのです。最近ではスターリンクという衛星インターネットサービスも始まり一般家庭でも宇宙に上がっている通信衛星と直接インターネットのやり取りをすることが可能となりました。

私が高校生の時、ナイトライダーという米国のテレビ番組が日本でも放送されていました。この番組では、主人公が、言葉を話すことができる自動運転の車と一緒に悪党をやっつけるという分かり易い番組なのですが、車と話せるなんて子供心にも「ありえないな」と思っていました。それが、こちらも現実のものになりそうなのです。 イーロン・マスク氏率いるテスラは、これまで将来的に完全自動運転を可能にするであろうFSDというシステムのソフトウエアの改善を行ってきました。世界中で走るテスラ車から走行データを取得、その分析を世界最大級と言われるスーパーコンピューターに行わせてきたのです。 そんなテスラは、来月10月に「ロボタクシーデイ」という発表会を行うことになっています。ロボタクシーとは、簡単に言うと、完全自動運転ができる車を使って無人のタクシー事業を行う構想で、何年も前からそんな話はあったのですが、ついにそんな夢が実現しそうなのです。

ロボタクシーができるのであれば、テスラの所有者は当然のことながら自分の車で自動運転をすることができるはずです。マスク氏は、テスラ車にアマゾンのアレクサのような音声のやり取りができるスマートスピーカーを実装すると言っています。 とても近い将来に、音声で行き先を伝えると、自動で運転してくれる車が個人のものになる時代がやってくるかもしれません。子供の頃に目を輝かせて見ていたことがまた実現するかもしれないと思うと、ワクワクしないではいられません。