東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は円安を受けて大幅続伸となりました。578円高の36,958円でスタートした日経平均は寄り付きを安値に上げ幅を広げると11時10分過ぎに1,014円高の37,394円まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと904円高の37,284円で前場を終えました。

825円高の37,205円でスタートした後場の日経平均は14時過ぎに989円高の37,369円まで上昇しましたが、前場に付けた高値を前に伸び悩むと引けにかけて上げ幅を縮め結局775円高の37,155円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

一時143円台まで進んだ円安を受けて自動車株が買われました。トヨタ(7203)が一時6.0%高、日産(7201)が一時4.5%高、ホンダ(7267)とSUBARU(7270)が一時5.1%高、マツダ(7261)も一時3.5%高となりました。

8月の米住宅着工件数が年率換算で前月比9.6%増の135万6000戸となったことから、米国で住宅事業を手掛ける大手ハウスメーカーも買われました。住友林業(1911)が一時5.3%高、積水ハウス(1928)が一時2.9%高、大和ハウス工業(1925)も一時2.1%高となり、住友林業は上場来高値を更新しました。

8月の訪日外国人客数(推計値)が前年同月比36.0%増の293万3000人となり、8月として過去最高となったことからインバウンド関連銘柄の一角も買われました。三越伊勢丹ホールディングス(3099)が一時3.9%高、サンリオ(8136)が一時8.7%高、オリエンタルランド(4661)も一時3.5%高となり、サンリオは目標株価の引き上げもあり上場来高値を更新しています。

損保業界が取引先との関係を強めるために持つ政策保有株式の全廃に踏み切ることが分かったと伝わるなか、政策保有株式の売却進展に伴い資本効率の改善が進むとの期待から損保株も買われました。東京海上ホールディングス(8766)が一時6.2%高、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)が一時5.8%高、SOMPOホールディングス(8630)も一時4.0%高となりました。

一方で投資判断と目標株価の引き下げを受けて三菱電機(6503)やイズミ(8273)が安く、三菱電機が一時3.3%安、イズミも一時3.2%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は775円高となりました。FRB(米連邦準備制度理事会)がFOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利の大幅利下げを決めたものの、今後の利下げペースは穏やかなものになるとの見方から一時143円台後半まで円安が進んだことで大幅高となり、37,000円台を回復しました。

しかし、前場には1,000円以上上昇する場面もありましたが、25日移動平均線(37,407円)を前に伸び悩むと引けにかけて上げ幅を縮めました。そのため明日以降も買いが優勢となった場合には25日移動平均線を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の本日21時30分に米新規失業保険申請件数や9月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数などが発表されるほか、23時には8月の米中古住宅販売件数と8月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。また、金融政策に変更はないとみられていますが、明日は昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)