今週日本時間の金曜日の夜は8月分の雇用統計ですね。今回は、早めに帰宅してライブで見届けようと思っています。

なぜそこまで注目度が高いのか。9月17~18日のFOMC直前であると同時に、先月点灯した景気後退のシグナル、「サームルール(Sahm Rule)」(※)の指標が本物なのかどうかを見極める試金石だからです。シグナルは、全米の失業率(U3)の3ヶ月平均が、過去12ヶ月の最小値から0.50ポイント以上上昇した場合に点灯します。

7月分のデータは0.53ポイントと、過去50年間で8回目となる閾値超えとなりました。しかしまだわずかに超えただけですし、短期的な台風の影響等を疑う声もあります。

また、こうした経験則は構造的な変化には対応しきれないという欠点があります。例えば、逆イールドが発生すると1~2年で景気が後退するという経験則についても最近は当たりが悪くなっています。従って、今のところ個人的には景気後退には半信半疑です。

とはいえ、こうした経験則は、経済の見えにくい内側を映す数少ない「画像」です。8月の失業率の市場予想は4.2%。先月の4.3%から若干改善すると見られています。果たして何が映し出されるのか…しっかり見守りましょう。

(※)サームルール(Sahm Rule)
セントルイス連邦準備銀行のウェブサイトに遷移します。