東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。25円高の38,388円で寄り付いた日経平均はまもなくしてマイナスに転じましたが、45円安の38,316円で下げ渋ると持ち直し10時50分前には247円高の38,610円まで上昇しました。

その後伸び悩むと後場に入り13時30分には59円高の38,421円まで上げ幅を縮めましたが、引けにかけて上げ幅を広げると大引け間際に307円高の38,669円まで上昇し結局285円高の38,647円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

三菱電機(6503)が一時4.5%高となりました。自己株式を除く発行済株式総数の0.96%にあたる2000万株、300億円を上限とした自社株買いを発表したことで買いが優勢となりました。

電力会社がデータセンターや半導体工場の増加に対応して送電網を増強すると伝わったことから電線株も買われました。古河電気工業(5801)が一時5.2%高、住友電気工業(5802)が一時3.8%高、フジクラ(5803)が一時4.2%高、SWCC(5805)も一時8.7%高となり、フジクラとSWCCは年初来高値を更新しました。

半導体製造装置メーカーのTOWA(6315)も一時10.6%高となりました。1株を3株にする株式分割を発表したことで投資家層の拡大を期待した買いが入りました。

明電舎(6508)も一時6.7%高となりました。未定だった中間配当を前年同期比10円増となる35円にすると発表したことで大幅高となりました。

メルカリ(4385)も一時4.6%高となりました。台湾で日本のフリマアプリ利用者が出品した商品を販売するサイトを立ち上げたと発表したことを材料視した買いが入りました。

また、カルビー(2229)が目標株価の引き上げを受けて一時2.4%高となったほか、SCSK(9719)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時4.7%高となっています。

一方でテルモ(4543)が一時4.9%安となりました。三菱UFJ銀行など7社が保有するテルモ株を海外市場で売り出すと発表したことで需給の悪化を警戒した売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は285円高となりました。米国株高や円高一服を受けて買いが優勢となりました。朝方には小幅にマイナスとなる場面もありましたが、下げ渋ると持ち直し上げ幅を広げました。

しかし、75日移動平均線(38,649円)を小幅に上回ったところでは伸び悩みました。そのため75日移動平均線が上値抵抗線としてやや意識されそうで、週明けも引き続き買いが優勢となった場合には75日移動平均線を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の21時30分に米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視している7月の米個人消費支出(PCE)物価指数が発表されるほか、22時45分に8月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が、そして23時には8月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)