今週(8月23日~8月29日)の相場動向

相場回顧 BTC(ビットコイン):一時急騰するもエヌビディア決算前後に下落

ビットコインは、米国での利下げ観測が高まったことで一時急騰したが、エヌビディア[NVDA]の決算に対する警戒感からたちまち急落した。

注目されたジャクソンホール会議ではパウエルFRB議長が利下げ開始を支持し、米国金利が低下する中でBTC=939万円(65,000ドル)付近まで急騰した。米国大統領選挙において無所属のケネディ氏が撤退およびトランプ氏支持を表明し、トランプラリーへの期待が高まったことも買いを後押しした可能性がある。

その後、テレグラムCEOの逮捕を受けてトンコイン(TON)が10%超急落するなど荒い値動きも見られたが、もみ合いとなった。

しかし、8月27日にはアーク・インベストメントが運用する現物ETF(ARKB)から1億ドル超の資金が流出し、エヌビディア[NVDA]の決算発表を前に警戒感から急落した。決算発表後には、エヌビディア株が業績好調ながら投資家の高い期待に届かなかったことで急落し、ビットコインもBTC=838万円(58,000ドル)付近まで下落した。

 

来週(8月30日~9月5日)の相場予想

BTC(ビットコイン)は米雇用統計等により景気後退懸念が高まるとさらなる売りに警戒

米国では9月利下げの可能性が高まっているが、アトランタ連銀総裁をはじめ一部の当局者はまだ慎重な姿勢を示している。そのためFOMC(米連邦公開市場委員会)会合までは、経済指標に大きく左右される展開が続くと予想する。来週発表される8月のISM関連指数と雇用統計が景気後退を示唆する内容だった場合、リスク資産の売りが強まる可能性があるだろう。

また米国では、SEC(米国証券取引委員会)が大手NFTマーケットプレイスのオープンシーに対して訴訟の可能性を伝えるなど、暗号資産関連企業への取り締まりが再燃している。このような動きは短期的には市場にネガティブな影響を与える可能性があるが、これに関連し、9月10日に予定されている米国大統領選挙のテレビ討論会で、暗号資産規制の話題が取り上げられるかが注目される。

直近、上値としてBTC=939万円(65,000ドル)、下値としてBTC=795万円(55,000ドル)を意識する。