新NISAが火をつけた日本人の投資ブーム

日本人の間で投資に対する関心が高まっています。

これは、インフレが進む中で給与がなかなか上昇せず、副業のような別の収益機会を探す動きが広がっていたことが背景にあります。

副業と並んで注目されたのが投資です。株主優待や配当といった株式投資の魅力が紹介され、ワンルームマンション投資などが知られるようになったことも影響しています。

そこに、2024年からNISAの税制優遇枠が拡大されることで投資に対する個人の関心が更に高まり、投資に対する興味を持つ人が急激に増えました。

焦りに付け込む投資詐欺

そのような世の中の流れに乗り遅れたくないと、投資に対する基本を学ぶことなく、生半可な知識で投資を始める初心者が増えました。

それと共に、そのような知識の無い人たちを狙った投資詐欺も増えているのです。ネット上での勧誘や広告をきっかけにセミナーなどに参加して、粗悪な投資商品を購入したり、最悪の場合は資産をだまし取られるケースも出ています。

また、最近は「ロマンス詐欺」と呼ばれる恋愛感情を悪用した投資詐欺も増えています。これは恋愛目的のマッチングアプリなどで知り合った相手とやりとりしながら、恋愛感情を利用して、投資資金を振り込ませたりする手法です。

非対面のやり取りながら、親近感を抱かせることで感情的に断りにくくなるという心理的な弱みを突いた悪質なものです。

短期で簡単に儲かる話は無い

まず押さえておかなければいけないことは、短期で簡単に利益が出るような投資の手法は存在しないということです。

短期で高いリターンを出すためには、それに見合った高いリスクを取る必要が出てきます。成功すればリターンが得られるかもしれませんが、大きな損失を出す可能性も同じ程度出てくると言うことです。短期投資で収益を上げ続けられる投資家とは、高いスキルを持った限られた投資家だけです。

「誰でも簡単にすぐに利益が出る」といったセールストークの投資には関わらないほうが良いでしょう。

おいしい話は向こうからやっては来ない

多くの人が忘れがちなのが、もし有利な投資対象があったとしても、面識の無い人が向こうからやってきて紹介してくれることは無いという当たり前のことです。

見ず知らずの人が自分にアプローチしてくるということは、そこに何らかの目的があるはずです。少なくとも善意から無料で教えてくれることは無いと考えるのが自然です。

相手がアプローチしてくる意図を想像できれば、簡単に騙されることは無くなります。

長期分散投資ならインデックスファンドの積み立てが最強

投資には必ずリスクがありますが、それをコントロールする方法も存在します。それは長期分散投資です。投資期間を長く取ることによって短期的な相場の変動に左右されにくい投資が実践できます。また、投資対象の分散によって資産全体の変動率を下げてリスクコントロールができます。

ネット証券に口座開設して、金融資産に関してはインデックスファンドの積立を活用すれば投資詐欺に騙されることもなく、効率的な投資を実践することができ成功の可能性が高まります。

誰と付き合うかが重要

個別の商品で投資詐欺に騙されないためには「誰と付き合うか」が大切です。ほとんど面識のないような人が薦める商品に飛びつく前に、説明をしている人が果たして信頼できる人なのかを見極める必要があります。

例えば、

今までの経歴が曖昧で、勤務した会社の社名や肩書が漠然としている人
商品の取り扱いを開始してから時間が経っておらず、実績がほとんどない人
人には商品をセールスするにも関わらず、自分では購入していない人

このような人たちとは慎重にお付き合いした方が良いでしょう。

また金融商品を国内で販売する場合、金融商品取引法に基づく登録が必要です。無登録業者がトラブルを起こすケースも多く、確認しておくべきポイントです。

最終判断する前にセカンドオピニオンを

投資判断できない場合は、1人で抱え込まないで家族や友人に思い切って相談してみることです。自分自身が投資対象に入れ込んでしまい正しい判断ができないとき、冷静になるきっかけを提供してくれます。

怪しいと思ったら、金融庁や国民生活センターに電話相談するのも有益です。少しでも不安を感じたら投資を始めてしまう前に活用することがトラブルを防ぎます。

投資は儲かる話を見つけてくることで成功するのではなく、正しい投資手法に基づき長期で続けることによって成果を実現できます。

せっかくコツコツと稼いだ大切なお金を一瞬の判断ミスで失ってしまわないように注意しましょう。