ついに200日移動平均線上を回復も、5日移動平均線上を維持できるか要注目

前回のコラムでは「仮に5日移動平均線上を維持するようですと、株価の戻りが継続するとともに、上向きの200日移動平均線上を回復することも視野に入ってくる」と解説しました。そして解説した通り、上向きに変化した5日移動平均線上を維持したことから、上向きを続ける200日移動平均線上を回復して終える結果となっています。

さらに、5日移動平均線が200日移動平均線を上回るゴールデンクロスが発生しており、上昇トレンド入りが期待される状況です。

ただし、下向きの75日移動平均線が株価の上に位置しており、上値の抵抗になることが予想されます。今後についてですが、上向きの5日移動平均線と下向きの75日移動平均線のどちらをブレイクするかが注目ポイントになります。

仮に5日移動平均線上を維持するようであれば、75日移動平均線をブレイクすることが期待されるとともに、38,000円台を維持して39,000円台に接近することが視野に入ります。

しかし、5日移動平均線上を維持できずに割り込んだり、割り込んだまま戻せなくなったりするようなら、200日移動平均線を割り込み、場合によっては2番底を探る展開になることが考えられます。株価の戻りが続いている中だけに、その反動による値幅を伴う急落の発生に注意する必要があります。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※ 移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムは急上昇、ピークアウトに要注意

上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、急上昇するとともに上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを大きく上回っているのが分かります。

また、過去の高い水準をすべて上回ってきており、上昇の勢いが強まっています。そのため8月19日週は、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が上昇を続けたり、2本線が高水準を維持したりすることができるかに注目です。

仮に2本線の上昇が続いたり、高水準を続けたりするようであれば、5日移動平均線上を維持して反発が続くことが期待されるとともに、75日移動平均線を上回って維持することが視野に入ります。

反対に、2本線が下向きに変化して低下したり、低下したまま0ラインに接近したりするようなら、上昇の勢いが弱まって5日移動平均線や200日移動平均線を下回ることが考えられるため、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意が必要です。

急落からの反発が継続している日経平均ですが、株価の戻りが続くのか、あるいは一服して一旦反落してしまうのか。重要な局面に差し掛かっていると考えられますので、慎重に対応したいところです。