5日移動平均線上を維持できるかが反発継続のカギ

日本時間の4月3日、トランプ米大統領が相互関税について発表してから株価の乱高下が続きました。前回のコラムでは、ついに2024年8月5日の安値も下回ったことを解説しましたが、その後は株価の戻りが続いています。

そのポイントになっているのが、上向きに変化した5日移動平均線上を維持していることです。2024年8月5日以降の反発が続いた場面でも、上向きに変化した5日移動平均線を上回ったままで推移し、9月2日の取引時間中には39,000円台を回復するなど、およそ1ヶ月間反発が続いているのが分かります。

そのため、2024年8月5日以降の値動きが繰り返されるためには、引き続き5日移動平均線上を維持する必要があると言えます。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※移動平均線の期間は5日(グレー線)、25日(赤線)、75日(青線)で設定
※出来高はプライム市場 
※モメンタムの期間は10日(青線)で設定し、モメンタムの3日移動平均線(赤線)も表示

4月10日の高値を上回って維持できるかにも注目

また、もう1つ注目すべきポイントがあります。それは、4月10日につけた高値を終値で上回ることができるかです。4月10日の高値は、4月7日に安値をつけた後の戻り高値となっています。

この高値を上回ることができれば上昇トレンドが継続していることになり、反発の継続が期待されます。その反面、上回っても維持できずに押し返されたり、上回ることができずに反落したりするようなら、5日移動平均線を上回ったまま維持することができずに割り込んだり、割り込んだまま戻せなくなって再び下降トレンドが発生することが考えられます。買いポジションを持っている投資家は、売りそびれることがないように注意が必要です。

0ラインを上回ることができるか

最後は上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムについてです。株価は戻りを試す展開が続いていますが、モメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が水準を切り上げているものの、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインに届いていません。

そのため、まだ上昇の勢いが強まったとは言えず、2本線が下向きに変化した場合は、上向きの5日移動平均線を下回る可能性があると考えられるのです。

そこで今後のポイントについてですが、2本線が上昇を続けるとともに、0ラインを上回って維持できるかが反発を継続するためのカギになると思われます。仮に2本線が上昇を続けて0ラインを上回って維持するようなら、5日移動平均線上を維持して4月10日の高値を上回ることが視野に入ります。

その反面、0ラインを上回っても維持できずに押し返されたり、下向きに変化して低下したりするようなら、5日移動平均線を下回ることが考えられるため、買いポジションを持っている投資家は売り時を逃さないようにする必要があるでしょう。

2024年8月5日以降のモメンタムを見ても、0ラインを上回って水準を切り上げており、同じ動きになるのかが今後の動向を読み解くカギになると思われます。注目しておきましょう。