ついに5日移動平均線上を回復

前回のコラムでは「5日移動平均線の下で株価が推移していることに加え、モメンタムは急上昇しているもののシグナルは下向きのままとなっている」ことから、底入れしたとは言えない状況だとしました。しかし、今週に入ってついに5日移動平均線を上回るとともに、5日移動平均線が上向きに変化してきました。

そのため、一旦底入れしたと考えられそうです。そこで注目されるのが、5日移動平均線上を維持できるかどうかです。仮に5日移動平均線上を維持するようだと、株価の戻りが継続するとともに、上向きの200日移動平均線上を回復することも視野に入ってくるのではないかと思われます。また、200日移動平均線上を回復して維持するようだと、下向きの25日移動平均線辺りまで反発が継続するのではないかと思われます。

一方で、5日移動平均線上を維持できずに割り込んだり、割り込んだまま戻せなくなったりするなら、5日移動平均線の向き次第では2番底を探る展開も考えられます。一旦底入れとなってはいるものの、今後の値動きには注意しておきたいところです。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成 
※移動平均線は5日、25日、200日移動平均線

モメンタムのピークアウトに要注意

そのような中、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上向きで上昇しているのが分かります。

ただ2本線は、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインに届いておらず、下落の勢いが弱まっているだけに過ぎない状況と考えられます。

そのため、2本線の上昇が続くかどうかが注目ポイントになります。仮に2本線の上昇が続いて0ライン上を回復して維持するようだと、200日移動平均線上を回復して維持することが期待されます。その反面、2本線の上昇が続いても限定的だったり、0ラインに届かずに下向きに変化して低下したりするようだと、5日移動平均線上を維持できずに割り込むことが視野に入るため、売り時を逃さないようにすることに加え、高値掴みを避けるようにしたいところです。

歴史的な下落と上昇を繰り返した8月第1週でしたが、2週目に入ったところで落ち着きを取り戻すことになるのか、注目の週になりそうです。