東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅続伸となりました。465円高の35,490円で寄り付いた日経平均は取引開始から1時間弱で1,000円高の36,025円まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと760円高の35,785円で前場を終えました。
885円高の35,910円でスタートした後場の日経平均は一段高になると結局1,207円高の36,232円で取引を終え高値引けとなりました。
こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
昨日の米国市場で米エヌビディア[NVDA]が4%余り上昇するなど半導体株の一角が買われたことで日本市場でも半導体関連株に大きく上げるものがみられました。東京エレクトロン(8035)が一時7.0%高、SCREENホールディングス(7735)が一時7.9%高、レーザーテック(6920)が一時5.1%高、アドバンテスト(6857)が一時7.7%高、ディスコ(6146)も一時5.4%高となりました。
また、半導体製造装置大手のKOKUSAI ELECTRIC (6525)も一時15.2%高となりました。株価指数を算出する米MSCIが代表的な株価指数「グローバルスタンダード指数」の構成銘柄の定期見直しで、KOKUSAI ELECTRICを新たに採用すると発表したことで上げ幅を広げました。
楽天グループ(4755)も一時10.3%高となりました。法人を含む契約回線数が伸びたことなどにより携帯事業の収益が改善し、上期の最終損益の赤字額が前年同期に比べ大幅に縮小したことで買いを集めました。
第1四半期決算を発表した不二製油グループ本社(2607)や小田急電鉄(9007)も買われました。不二製油グループ本社は植物性油脂事業におけるパーム油等の原材料価格が安定したことによる収益性の改善などにより上期の営業利益の見通しを70億円から90億円に上方修正したことで一時14.4%高となり年初来高値を更新しました。
小田急電鉄も新型コロナウイルス禍からの人流回復で運輸収入が増えたことなどにより第1四半期の営業利益が前年同期比で14.9%増となり市場予想を上回ったことから一時7.2%高となっています。
一方でシャープ(6753)が一時6.6%安となりました。再建中のディスプレー事業の不振が響き第1四半期の営業損益が58億円を超す赤字となったことで大幅安となりました。
ガンホー・オンライン・エンターテインメント(3765)も一時5.8%安となりました。前年同期に東南アジアでスマートフォン向けゲームが好調だった反動が出て上期の営業利益が前年同期比で28.5%減となったことから売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は1,207円高となりました。昨日の米国市場でハイテク株の一角が買われたことや、円高が一服していることもあり買いが優勢となりました。上げ幅は今年2番目と大きな上昇となりましたが、日中の値幅は755円と9日ぶりに1,000円を下回りました。
そのため不安定な相場が続いていたマーケットもやや冷静さを取り戻しつつあるといえそうで、米消費者物価指数や米小売売上高、日本の国内総生産(GDP)など重要な経済指標の発表が相次ぐなかでさらに落ち着き処を探るような展開がみられるかが今週はポイントとなりそうです。
なお、決算発表も終盤ですが、本日も引け後にマツキヨココカラ&カンパニー(3088)やメルカリ(4385)、アシックス(7936)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には7月の米卸売物価指数(PPI)が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)