東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに大幅反発となりました。618円高の32,077円でスタートした日経平均は寄り付きを安値に上げ幅を大きく広げると取引開始から1時間余りで3,453円高の34,911円まで上昇しましたが、節目の35,000円を前に伸び悩むと後場に入り14時10分前には1,983円高の33,441円まで上げ幅を縮めました。しかし、その後引けにかけて上げ幅を広げると結局3,217円高の34,675円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が10.1%高となっています。

2.個別銘柄等

昨日に大きく売られた銘柄に急反発するものが多くみられました。米国でハイブリッド車(HV)などの販売が好調だったことなどで第1四半期の営業利益が過去最高となったと伝わったホンダ(7267)が一時19.3%高となったほか、トヨタ(7203)が一時14.3%高、日産(7201)が一時13.6%高、マツダ(7261)が一時14.3%高、昨日にストップ安となったSUBARU(7270)も一時11.5%高となりました。

同じく昨日にストップ安となった東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)、ソシオネクスト(6526)なども高く、東京エレクトロンが一時18.9%高、アドバンテストが一時17.6%高、ソシオネクストも一時15.1%高となりました。

デサント(8114)も20.8%上昇しストップ高となりました。伊藤忠商事(8001)が1株あたり4,350円で、完全子会社化を目的としたTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したことからTOB価格にさや寄せする格好で上げ幅を広げました。

一方で上期決算を発表したポーラ・オルビスホールディングス(4927)が一時8.9%安となり年初来安値を更新しました。国内で委託販売チャネルが想定を下回る実績となったことや、海外で中国大陸における厳しい事業環境が続いていることなどにより179億円とみていた通期の営業利益の見通しを145億円に下方修正したことで大幅安となりました。

味の素(2802)も一時9.5%安となり年初来安値を更新しました。資金還流を目的に海外子会社からの配当を増やしたことにより配当支払時に現地国での課税額が膨らんだことなどから第1四半期の純利益が前年同期比で12%減となったことで下げ幅を広げました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は3,217円高となり、上げ幅は1990年10月2日の2,676円を上回り過去最大となりました。急落が続いた反動に加え、一時146円台を付けた円安などもあって一気に買い戻しが入り、過去最大となった昨日の下げ幅の7割以上を一日で埋める格好となりました。

そのため一旦は過度な警戒ムードも和らぎそうで、大幅反発となった日本市場を受けて今晩の欧米市場が落ち着きを取り戻すことができるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表が続いています。本日も引け後に出光興産(5019)やダイキン工業(6367)、IHI(7013)、リコー(7752)、東京海上ホールディングス(8766)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)