東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日続伸となりました。511円高の42,343円で寄り付いた日経平均はまもなくして594円高の42,426円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと10時10分には270円高の42,102円まで上げ幅を縮めました。
しかし、その後再び上げ幅を広げると後場に入り14時30分過ぎには553円高の42,385円まで上昇しました。その後伸び悩むと引けにかけてやや上げ幅を縮めましたが結局392円高の42,224円で取引を終え、連日で史上最高値を更新しています。
また、TOPIXも19ポイント高の2,929ポイントとなり昨日に続いて史上最高値を更新したほか、新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
村田製作所(6981)が一時3.6%高となり上場来高値を更新しました。米アップル[AAPL]が今秋に発売するとみられる新型iPhoneの年後半の出荷台数を現行機種の10%増となる9000万台とする計画だと伝わったことでアップル関連銘柄の村田製作所に物色の矛先が向かいました。
第1四半期決算を発表した総合リユース店を運営するトレジャー・ファクトリー(3093)も一時16.1%高となり上場来高値を更新しました。インバウンド(訪日客)需要が増えブランド品の売買が好調に推移すると見込まれることから通期の業績予想を上方修正したことで上げ幅を広げました。
また、昨日の米国市場で半導体株が買われた流れを受けて日本市場でも半導体関連銘柄の一角が高く、ディスコ(6146)が一時3.9%高となり上場来高値を更新したほか、レーザーテック(6920)が一時3.5%高、ソシオネクスト(6526)も一時6.2%高となりました。
さらに住友林業(1911)が目標株価の引き上げを受けて一時3.5%高となり、山崎製パン(2212)も投資判断の引き上げを受けて一時4.1%高となっています。
一方でサイゼリヤ(7581)が一時8.7%安となりました。アジア事業の利益が大幅に伸びたことや、国内事業が黒字に転換したことなどから第3四半期の営業利益が前年同期比で2.8倍となり、配当予想も従来計画から引き上げましたが、株主優待制度の廃止を発表したことで売りが優勢となりました。
吉野家ホールディングス(9861)も一時8.9%安となりました。人件費の増加や店舗改装費の負担などもあり第1四半期の営業利益が前年同期比で38.6%減と大幅な減益となったことから一時8.9%安となりました。
ゼンショーホールディングス(7550)や松屋フーズホールディングス(9887)にも売りが波及し、ゼンショーホールディングスが一時3.6%安、松屋フーズホールディングスも一時4.0%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は392円高となり、3日連続で史上最高値を更新しました。昨日の米国市場が大幅上昇となり、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が連日で史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。
昨日時点で25日移動平均線との乖離率が6%近くまで広がっていたこともあり節目の42,500円を前に伸び悩むと270円高まで上げ幅を縮める場面もありましたが、終わってみれば結局400円近く上昇して取引を終えました。そのため短期的な過熱感への警戒感はあるものの、先高観は依然として強いといえそうです。
なお、小売り企業の決算発表が続いています。本日も引け後にはセブン&アイ・ホールディングス(3382)やファーストリテイリング(9983)などが決算を発表する予定です。
また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や6月の米消費者物価指数(CPI)が発表される予定で、米CPIは連邦準備制度理事会(FRB)による今後の金融政策を占ううえで関心の高い経済指標だけにマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)