今週(6月28日~7月4日)の相場動向

相場回顧 BTC:各国政府等による売却懸念で軟調継続

ビットコインは、現物ETFへの資金流入が回復し買いが強まる場面もみられたが、特定機関による大口売却への懸念が強く、軟調な展開が続いた。

注目されたバイデン大統領とトランプ前大統領の第1回候補者テレビ討論会は、暗号資産について触れられることはなく、期待外れの内容となった。ソラナが米国における現物ETFの申請を受けて急騰したが、相場全体への影響は限定的となった。

このような中、米国ではPCE指数やISM関連指数が鈍化傾向となり、9月利下げ観測が高まった。これを受けて米国株の上昇が継続し、ビットコインも現物ETFへの資金流入が増加し一時はBTC=1,014万円(63,000ドル)付近まで上昇した。

しかし、マウントゴックスの7月弁済開始に伴うビットコインの売却を警戒する動きがあり、上値は重くなった。また、米国政府やドイツ政府が犯罪等で押収したビットコインを市場で換金しているとの指摘もあり、たちまち売りが強まった。

米国では7月4日までにイーサリアム現物ETFが正式に承認されると予想されていたが、今週はその動きがなかった。これにより失望売りも加速し、米雇用統計の発表を前にBTC=934万円(58,000ドル)付近まで下落した。

 

来週(7月5日~7月11日)の相場予想

BTCは各国政府等による売却懸念が根強いが底入れは近いと予想、ETH現物ETFの承認が鍵か

米国では、インフレ鈍化を示唆する経済指標の発表が相次ぎ、利下げ観測が高まる中で米国株の史上最高値更新が続いている。この動きに反してビットコインは売りが先行しており、リスク資産としての投資妙味が薄れつつある。このまま金融市場におけるビットコインへの関心が弱まれば、現物ETFをきっかけに入ってきた資金が流出し、さらに下落することが考えられる。

一方で、マイニングのハッシュレートが7月に入って下げ止まっていることを考えると、4月半減期以降の中小マイナーの撤退が一服した可能性がある。各国政府およびマウントゴックス関連のビットコイン売却も下落トレンドでは過度に懸念される傾向があるが、徐々に売りをこなす中で相場の底が見えてくるだろう。

また、米国のイーサリアム現物ETFの取引が今月中にスタートするか否かによって相場の回復具合が大きく左右されると予想する。承認が8月以降に後ろ倒しになった場合は、ビットコインとイーサリアムともにさらなる売りを警戒する必要があるだろう。

直近、上値としてBTC=1,030万円(64,000ドル)、下値としてはBTC=886万円(55,000ドル)を意識する。