東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続伸となりました。87円安の39,543円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分で173円安の39,457円まで下落した後下げ渋ると10時前にプラスに転じ10時40分に298円高の39,929円まで上昇しましたが、40,000円の大台を前に伸び悩むと後場寄り直後には再びマイナスに転じました。

しかし、5円安の39,625円で下げ渋ると持ち直し再び大きく上げ幅を広げ13時50分過ぎには482円高の40,113円まで上昇しました。

その後は伸び悩みましたが、引き続き高値圏で推移すると結局443円高の40,074円で取引を終えています。こうしたなかTOPIXも32ポイント高の2,856ポイントとなり昨日に続いて年初来高値を更新しています。

一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

日米の長期金利の上昇を受けてメガバンクが買われました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時3.9%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時2.7%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時2.6%高となり、揃って年初来高値を更新しています。

生保株も高く、第一生命ホールディングス(8750)が一時4.3%高となり上場来高値を更新したほか、T&Dホールディングス(8795)も一時5.1%高となり年初来高値を更新しています。

リノベーションマンションの賃貸・売買を手掛けるスター・マイカ・ホールディングス(2975)も一時11.1%高となり年初来高値を更新しました。第2四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で13.1%増となり、6四半期ぶりに増益に転じたことで大幅高となりました。

また、堀場製作所(6856)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時6.2%高となり、HOYA(7741)も目標株価の引き上げを受けて一時4.6%高となっています。

一方で象印マホービン(7965)が一時4.2%安となりました。円安の進行で海外部材の調達費用が増えたことなどにより上期の営業利益が前年同期比で2.4%減となったことから売りが優勢となりました。

中古車販売大手のネクステージ(3186)も8.9%安となりました。中古車の販売台数が伸び悩んでいることなどにより上期の営業利益が前年同期比で2.6%減となったことから大幅安となりました。

KADOKAWA(9468)も一時4.5%安となりました。ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃でさらなる情報漏洩を確認したと発表したことを嫌気した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は443円高となりました。利益確定の売りが出て下落して始まると170円以上下げる場面もありましたが、朝方の売り一巡後に下げ渋ると持ち直し大きく上げ幅を広げ40,000円の大台をおよそ3ヶ月ぶりに回復しました。そのため3月22日に付けた史上最高値(40,888円)更新への期待が改めて高まりそうです。

なお、日本時間の22時30分にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が欧州中央銀行(ECB)主催の「ECBフォーラム」の討議に参加する予定です。また、23時には5月の米雇用動態調査(JOLTS)の発表も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)