米ドル/円 為替介入が意識され、頭の重い状態か 週間予想レンジ:159.00~161.50

先週(6月24日週)は続伸、投機筋がなお主導

先週の米ドル/円は続伸、一旦161.28円まで続伸した。6月17日週の大陽線を踏襲する形の続伸として想定の範囲内だったが、当局の為替介入が意識され、伸び悩んでいた気配もあった。

今週(7月1日週)の米ドル/円は上値限定か

日米金利差が縮小している中、投機筋に主導された円売りが38年ぶりの安値(米ドルの高値)を記録したが、円安のデメリットがかなり鮮明化されたため、米当局が難色を示したとしても日本の通貨当局は為替介入を実行する可能性もあるだろう。その反面、国際投機筋も歴史的に大規模な円売りポジションを積み上げてきたため、円の安値を追っていくには力不足と思われる。そのため、高値圏での横這いが続くと予想する。

テクニカル視点:高値圏での推移を維持しつつ、モメンタム低下へ

6月26日の米ドル/円の高値は、2024年最初の為替介入が行われた4月29日以来の高値を正式に突破した。これで5月3日の安値を起点とした上昇波動の延長が決定され、更なる上値余地を拡大する機運を示した。

その半面、5月安値を起点とした上昇波動自体の構造を鑑みると、推進波動としてすでに最終段階にある可能性があり、高値再更新後のモメンタムの低下がその前兆ではないかとみている。言い換えれば、上値余地が拡大しても上値を追うモメンタムが高まらないと、ロング筋の利益確定に繋がりやすいため、今週は高値圏での推移を維持できても、高値を追う展開になるとは限らないだろう。楽観しすぎないように注意が必要である。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

豪ドル/円 高値を追う展開が続くか 週間予想レンジ:106.00~109.00

先週(6月24日週)は続伸、自然な値動きが続く

先週の豪ドル/円は週足では再度陽線を形成し、6月17日週の大陽線を踏襲する形となった。これは、むしろ自然な値動きであった。ここからさらなる上値を追えるかどうかは米ドル/円次第だが、豪ドル/米ドルの強含みも下支えとなるだろう。

今週(7月1日週)は一段と高値余地を拡大するか

豪ドル/円は6月18日に大きく上昇し、従来の抵抗を一気に突破した分、4月末から煮詰まっていた「上昇トライアングル」型の保ち合いを上放れしたことが証明され、6月17日週から上昇モメンタムを維持してきた。7月1日週には米ドル/円次第のモメンタム低下もあり得るが、豪ドル/米ドルが堅調な動きのため、なお上値を追える段階とみている。

テクニカル視点:上放れが本物だからこそ、上値志向が強化

4月29日の大陰線の存在感は大きかった。同日は典型的な「弱気リバーサル&アウトサイド」のサインとなり、また「スパイクハイ」であっただけに、同日高値の104.91円を突破した6月17日週では、一転して強いサインを点灯した。

従って、6月24日週の高値再更新を当然の成り行きとみなし、その傾向は今週も継続されるだろう。はっきりした終焉のサインが点灯されない限り、しばらくトレンド・フォローを優先し、上値追いではなくとも、徹底した押し目買いのスタンスを取りたい。

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成