東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続伸となりました。191円高の39,364円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で60円高の39,233円まで上げ幅を縮めましたが、そこから切り返すと大きく上げ幅を広げ553円高の39,726円で前場を終えました。

558円高の39,731円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げると12時50分前に615円高の39,788円まで上昇しました。

その後は伸び悩みましたが、引き続き高値圏で推移すると結局493円高の39,667円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

アドバンテスト(6857)が一時7.8%高となりました。新中期経営計画を発表し、2022年3月期からの3ヶ年平均で933億円だった当期利益を、生成AI(人工知能)の拡大需要を追い風に2025年3月期からの3ヶ年平均で930億-1470億円にするとの目標を掲げたことで大幅高となりました。

また、昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅高となったことから他の半導体製造装置関連銘柄も高く、東京エレクトロン(8035)が一時4.1%高、SCREENホールディングス(7735)が一時2.9%高、ディスコ(6146)も4.7%高となりました。

サワイグループホールディングス(4887)も一時9.7%高となりました。自己株式を除く発行済株式総数の15.8%にあたる690万株、330億円を上限とした大規模な自社株買いを発表したことで上げ幅を広げました。

また、レゾナック・ホールディングス(4004)が目標株価の引き上げを受けて一時3.5%高となり、エフピコ(7947)も投資判断の引き上げを受けて一時2.6%高となっています。

一方でスギホールディングス(7649)が一時11.4%安となり年初来安値を更新しました。都市部の店舗でインバウンド向けの品ぞろえを強化したことや、化粧品などの販売も好調だったことなどにより第1四半期の営業利益は前年同期比で10.6%増となりましたが、市場予想に届かなかったことから売りが優勢となりました。

ブックオフグループホールディングス(9278)も一時15.2%安となりました。複数の店舗で従業員による架空買い取りや在庫の不適切な計上を通じた現金の不正取得の可能性が発覚したと発表したことで売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は493円高となりました。昨日の米国市場でのハイテク株高を受けて買いが優勢となり、節目の39,500円を上回り上げ幅を広げ一時は610円以上上昇する場面もありました。

そのため4月以降続くボックス相場を上に放れたとの見方も出てきそうで、40,000円の大台回復への期待が改めて高まりそうです。なお、日本時間の23時には5月の米新築住宅販売件数が発表されるほか、26日の米国では半導体大手のマイクロン・テクノロジー[MU]が決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)