米ドル/円 投機的な動きと為替介入の可能性が拮抗 週間予想レンジ:157.50~161.50

先週(6月17日週)は大幅続伸、投機筋が主導する形に

先週の米ドル/円は大陽線を形成し、一旦159.85円まで続伸した。米財務省が6月20日に公表した外国為替報告書において、再度日本を監査リストに追加したことで、日本の当局が為替介入しにくいのでは、といった思惑が急浮上し、円売りを一段と強めた。

今週(6月24日週)は拮抗しながら、再度高値更新を果たすか

日米金利差が縮小している中、投機筋に主導された円売りが先週の大陽線を形成したこともあり、再度高値更新を試す余地がある。ただし、日本の通貨当局は為替介入の可能性を示唆している。米ドル/円が160円以上に定着するかどうかは不透明ではあるが、円急落の場合は日本の通貨当局の為替介入が想定される。そのため、一旦吹き値があっても161円台半ばに留まるか注目したいところである。

テクニカル視点:5月高値を大幅上回り、高値再打診の流れ

6月14日の米ドル/円の高値は、2024年最初の為替介入が行われた4月29日以来の高値を一旦更新していたものの、終値では逆に5月29日の終値を超えられずにいた。この場合、一旦高値更新自体が「フォールス・ブレイクアウト」になる可能性があった。しかし、先週の大幅続伸で同思惑が否定されたからこそ、一転して強気のサインとして解釈され、また強気波動の延長として認定できる。

言い換えれば、5月3日安値を起点とした上昇波動は延長され、このままでは再度高値更新があってもおかしくないだろう。ただし、あくまで調整子波(切り返し)と考える場合、4月末の高値に接近してもブレイクできない可能性もある。

とはいえ、4月29日の大陰線自体が重要な存在で、同日高値に最接近してきただけに、一時的なものであるにせよ、投機筋主導の高値再更新が想定されるだろう。日本通貨当局の為替介入の可能性に便乗する逆張り筋(米ドル売り/円買い)が踏みあげられ、一旦161円台となる可能性もあるだろう。もちろん、再度為替介入があれば、変動率の拡大にも注意が必要である。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

豪ドル/円 高値再更新で新たなレンジ変動を形成へ週間予想レンジ:104.50~107.00

先週(6月17日週)は一気に上放れ、上値志向を強化

先週の豪ドル/円は週足では大陽線を形成し、一気に6月10日週の足型の「スパイクハイ」を突破、高値再更新を果たした。その上、当面強気変動の維持し、またモメンタムの強さを示唆した。4月末から高値圏にて波乱が続いたものの、6月17日週の大陽線があったからこそ、新たな変動レンジ入りを示唆している。

今週(6月24日週)は高値圏にて新たな変動レンジを形成へ

豪ドル/円は6月18日に大きく上昇し、従来の抵抗を一気に突破した分、4月末から煮詰まっていた「上昇トライアングル」型の保ち合いを上放れしたことが証明され、上昇志向やモメンタムが今週も強まるとみている。従って、再度高値更新する蓋然性が高く、新たな変動レンジの形成で逆に下値支持ゾーンが固いとみている

テクニカル視点:上放れ自体が「ダマシ」でなかったことが証明された分、当面上値志向を強める

4月29日の大陰線の存在感は大きかった。同日は典型的な「弱気リバーサル&アウトサイド」のサインとなり、また「スパイクハイ」であっただけに、同日高値の104.91円は本来強気抵抗を示す節目であった。

しかし、その後5月後半や6月前半でも試され、また6月17日週になると大幅に上回ったため、同日のサインの意味合いを一転させた。言い換えれば、4月29日の弱気サインが否定された以上、強気変動の継続性がより証明され、しばらく上値圏での変動が想定される中、また高値打診しやすい地合いになっている。ただし、米ドル/円に対して日本通貨当局の為替介入の可能性もあるため、その際には豪ドルにも影響がある可能性には注意しておきたい。

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成