【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,647.10  ▼65.11 (6/13)
NASDAQ: 17,667.56  △59.12 (6/13)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は弱い経済指標を受けて景気減速懸念が意識され3日続落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は半導体を中心にハイテク株の一角が買われたことで4日続伸となり史上最高値を更新しています。35ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に304ドル安まで下落した後下げ渋ると午後に入って持ち直し取引終盤には前日終値と同水準まで戻しました。しかし、上値は重く引けにかけてやや下げ幅を広げると結局65ドル安の38,647ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が12ポイント高の5,433ポイントとなり4日連続で史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も59ポイント高の17,667ポイントとなり、こちらも4日連続で史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万3000件増の24万2000件となり改善を見込んでいた市場予想に反し悪化しました。また、5月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%低下となり上昇を見込んでいた市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスやエネルギー、資本財・サービス、金融などの7業種が下げ、コミュニケーション・サービスは1%近く下落しました。一方で情報技術や不動産などの4業種が上げ、情報技術は1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では15銘柄が下げ、セールスフォース[CRM]が3%近く下落したほか、アマゾン・ドット・コム[AMZN]とボーイング[BA]も1%以上下げています。一方で15銘柄が上げ、JPモルガン・チェース[JPM]とホーム・デポ[HD]が1%以上上昇しています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体株が高く、なかでもブロードコム[AVGO]が12%を上回る上昇となりました。決算が市場予想を上回ったうえ、通期の業績見通しを引き上げたことで買いを集めました。エヌビディア[NVDA]も3%を超える上昇となり、マイクロン・テクノロジー[MU]とクアルコム[QCOM]も1%以上上げています。また、テスラ[TSLA]が3%近く上昇しています。最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏がX(旧ツイッター)で、株主総会で自身への巨額報酬案が可決されるとの見通しを示したことで、マスク氏のテスラへの関与が薄れるとの懸念が後退し買いが優勢となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.08%低い4.24%となりました。ドル円は157円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が続落となった流れを受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか本日は3ヶ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向が注目されます。また、昼頃には日銀の金融政策決定会合の結果が発表されます。国債買い入れの減額などについて議論が行われると伝わっていることもあり結果が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)