先週のNVIDIAの決算祭り以降、同社の株価は約20%も上昇し、日本のAI周辺メーカーも勢いづいています。
そんな中、朝日新聞がAI特集を連載しており、3日前の日曜日には、「ノーベル賞受賞者はAI?」という興味深い記事を大々的に掲載しました。
身内の話で恐縮ですが、実はこの記事の中で、物理学の研究者である兄のコメントが紹介されていました。曰く、今のAIは、まだ平凡な物理学者にも及ばないレベル。でも将来は、AIが人間には発見できない複雑な自然法則を発見する日が来るかも、としています。
これまで人間は、りんごが木から落ちるのはなぜか等、案外単純で人間『でも』わかる法則を発見してきただけなのかもしれない。しかし今後、膨大な計算で、複雑な現象やデータを、複雑なまま理解できるAIなら、もっと複雑な真理を見つけるかもしれない、とのこと。…もっとも、その時には人間がその理論を理解できない可能性もある、という少し切ないオチも付いていました。
このような話を聞くと、今のAIはまだまだ緒に就いたばかりで、チップの売上が何%上昇したとか、性能が何倍になったのかとかも、大きな山の麓のほんの一歩に過ぎないのかも、とも思います。
とはいえ、「麓」の覇者が山の上でも勝ち続けるかどうかはまだ不透明です。我々は、先端企業の主役交代劇を多く目にしてきました。個人的には、山頂の覇者になるか否かの分水嶺は、やはり、経営者、ガバナンスではと思います。
最後は、思いきり文系の世界に振りましたが、いずれにしても、AI技術の壮大な夢を追いつつ、投資の観点では企業のガバナンス等にも注意を払いたいと思います。