【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 39,065.26  ▼605.78 (5/23)
NASDAQ: 16,736.03  ▼65.51 (5/23)

1.概況

米国株式市場は、雇用関連指標やPMIが予想以上に強くインフレ圧力が意識され、利下げ期待の後退で続落となりました。23ドル安でスタートしたダウ平均は終始軟調に推移し、終盤にかけては連休(翌週27日は戦没者追悼記念日のため米国休場)を控えた利益確定売りも重しとなり下げ幅は一時645ドルを超える場面もありました。終値は前日比605ドル安の39,065ドルでした。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、前日比65ポイント安の16,736ポイントで取引を終えました。また、S&P500種株価指数も前日比39ポイント安の5,267ポイントで続落となりました。

2.経済指標等

5月のS&Pグローバル米国総合購買担当者景気指数(PMI)の速報値は54.4と2022年4月以来2年超ぶりの高水準となりました。インフレ指標として注目される仕入れ価格指数は製造業・サービス業いずれも高い伸びを見せました。また、4月の新築住宅販売件数は(季節調整済み)は年率換算で前月比4.7%減、前年同月比7.7%減の63万4000戸でした。新規失業保険申請件数は、予想22万件に対し21.5万件(前週比0.8万件減)でした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術の1業種のみ上昇しました。その他の10業種は下げており、不動産が2%を超える下落となったほか、公益事業や一般消費財・サービス、金融業界は1.5%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄全面安となりました。ボーイング[BA]は、金融機関主催のコンファレンスに出席したウェストCFOが2024年のフリーキャッシュフローが赤字に転落する見通しを示したことで、前日比7.6%安となりました。また、インテル[INTC]が4%以上下落したほか、マクドナルド[MCD]は3%近く下落し、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]やディズニー[DIS]、アップル[AAPL]が2%を超える下落となりました。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体エヌビディア[NVDA]が昨日引け後に発表した第1四半期決算で、AI(人工知能)ブームが寄与し売上高が前年同期比3倍となるなど良好な結果を示したことで買いが継続し、23日終値は9.3%高の1037ドルとなりました。また、会員制スーパーマーケットのビージェーズ・ホールセール・クラブ[BJ]は四半期決算で調整後の1株利益や会員手数料収入が予想を上回り、前日比3%を超える上昇となりました。一方で、イベント会社のライブ・ネーション・エンターテインメント[LYV]は司法省が反トラスト法違反で同社を提訴したことが明らかになり、7%を超える下落となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%高い4.48%となりました。ドル円は一時157円台を付ける場面もありましたが、現在は156円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の38,500円を割り込むかどうかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 ジュニア・アナリスト 岡 功祐)