『金利を見れば投資はうまくいく』… この表題は、マネックス・アセットマネジメントの堀井正孝さんの書籍のタイトルです。金利にはどんな種類があるのか、金利で何がわかるのか等が非常にわかりやすく解説されています。

金利や債券の市場動向は、株式市場ほどには日々のニュースに顔を出しません。それでも、この市場をみれば投資がうまくいくかもしれないのはなぜでしょうか。

それは、金利・債券市場には、株式市場と違って政策が大きく絡むためです。中央銀行が設立される前は、短期金利も基本的には市場メカニズムに委ねられていました。しかし今では、中央銀行が存在しないパナマや、昨年末に中央銀行廃止論を表明したアルゼンチンのような国は例外中の例外で、ほとんどの国に中央銀行が存在し、短期金利をさまざまな形で誘導しています。

今日は、10年国債利回りが11年ぶりに1%を超えた記念すべき日となりました。今年は更に、金利に関する様々なニュースが飛び交うでしょう。特に、主要諸国の政策金利が大きく動く可能性があります。こういう時には、当局の意図に反して大きな動揺が生じることがあります。例えば米国では、大きな利上げをした後の利下げ局面では、市場にショックが発生することが珍しくありません。リーマンショックの時がその例です。また、過去にもあまりなかったことですが、日本と米国で逆方向に政策金利が動くシナリオもあり得ます。政策金利発表後の為替市場への影響には相当の注意が必要でしょう。

3年前までの世界的超低金利時代には、金利にそこまで注意を払う必要はありませんでしたが、今は状況が全く変わってしまいました。株式や為替で負けないためには、その市場そのものの動きと同じくらいか、あるいはそれ以上に、金利の動きをみることが重要です。