【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 39,872.99  △66.22 (5/21)
NASDAQ: 16,832.62  △37.75 (5/21)

1.概況

米国株式市場は小幅高で取引を終えました。米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始時期の手がかりとして当局者の発言が注目された一方で、市場の重要なカタリストとなり得る22日発表(日本時間23日未明)のエヌビディア決算を見極めたいとの雰囲気が強く、大きな方向感は出ませんでした。

2ドル安でスタートしたダウ平均は83ドル高まで上昇した後、持ち高調整や利益確定の売りが出て一時下げる場面もありましたが、取引終盤にかけては上昇し、終値では前日比66ドル高の39,872ドルとなりました。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し37ポイント高の16,832ポイントと史上最高値で取引を終えました。また、S&P500種株価指数も過去最高値を更新し、13ポイント高の5,321ポイントで続伸となりました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や生活必需品、金融など7業種が上げた一方で、エネルギーや資本財・サービス、不動産、素材の4業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、IBM[IBM]とJPモルガン・チェース[JPM]が2%以上上昇したほか、ゴールドマン・サックス[GS]やウォルマート[WMT]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が上昇しました。一方で、スリーエム[MMM]やベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、セールスフォース[CRM]などが下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、百貨店のメーシーズ[M]が、第1四半期の決算で前年同期比では減収減益となったものの、通期見通しで売上高や1株利益を引き上げ、5%以上上昇しました。また、製薬会社のイーライリリー・アンド・カンパニー[LLY]はクローン病治療薬の最終治験結果が良好だったほか、放射線医薬品の新興企業アトキスオンコロジーと提携し腫瘍を標的とした放射線治療の開発で合意したとの発表が好感され、2%以上上昇しています。

その他、コンピューターメーカーのHP[HPQ]やカジュアル衣料ブランドのギャップ[GPS]がアナリストの投資判断引き上げで、それぞれ上昇しました。一方で、ホームセンター運営のロウズ[LOW]は、第1四半期の売上高は予想を上回ったものの、プロモーションなどが響き利益率が懸念されたほか、見通しが弱く1%以上下落しました。また、ネットワーク用セキュリティーソリューションを提供するパロアルト・ネットワークス[PANW]は低調な売上高見通しを示したことで3.7%安となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い4.41%となりました。ドル円は156円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、エヌビディア[NVDA]の決算とFOMC議事録を控えるなかで、様子見ムードとなりそうです。米国市場は小幅高となりましたが、夜間の日経平均先物は下げており軟調なスタートが予想されます。

(マネックス証券 ジュニア・アナリスト 岡 功祐)