東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。358円高の37,797円で寄り付いた日経平均は直後に379円高の37,817円を付けた後伸び悩むと10時50分前にマイナスに転じましたが、41円安の37,397円で下げ渋ると持ち直し99円高の37,538円で前場を終えました。

67円高の37,505円でスタートした後場の日経平均は13時40分過ぎに199円高の37,637円まで上昇した後伸び悩みましたが、引き続き堅調に推移すると結局113円高の37,552円で取引を終えています。

一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

2024年3月期の業績予想を上方修正した銘柄が買われました。大阪瓦斯(9532)は国内のガスや電力の販売が想定を上回ったことなどにより2024年3月期の営業利益の見通しを1395億円から1725億円に上方修正したことで一時6.4%高となり年初来高値を更新しました。

JVCケンウッド(6632)も無線システム事業が好調だったことや、カーナビなどの海外向けOEM事業が想定以上に伸びたことなどにより2024年3月期の事業利益の見通しを185億円から196億円に引き上げたことで一時5.7%高となりました。

東急建設(1720)も不動産事業等総利益が増加したことに加えて、研究開発等の費用発生が想定よりも後ろ倒しになり販管費が減少することにより2024年3月期の営業利益の見通しを62億円から82億円に上方したことで一時7.3%高となっています。

食品スーパー「業務スーパー」を展開する神戸物産(3038)も一時4.3%高となりました。新規出店やテレビ番組で取り上げられたことなどが追い風となり3月の月次売上高が前年同月比で10.6%増、営業利益が20.3%増となったことから買いが優勢となりました。

宮崎銀行(8393)も一時7.9%高となりました。株主還元方針を見直し、利益成長を通じた累進配当と機動的な自己株式取得により総還元性向30%を目標に利益還元を行うと発表したことを好感した買いが入りました。

一方でLIXIL(5938)が一時6.1%安となり年初来安値を更新しました。収益源である欧州市場でインフレーションの抑制に向けた世界的な金融引き締め政策の長期化や不動産市場の低迷の影響を受けたことなどにより2024年3月期の事業利益の見通しを400億円から230億円に下方修正したことで大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は113円高となりました。中東問題への警戒感が和らいだことにより昨日の米国市場が上昇したことから買いが優勢となりました。

しかし、寄り付き直後には380円近く上げる場面もありましたが、一時マイナスとなるなど伸び悩みました。そのため上値の重さがやや意識されそうで、今週は本格化する日米の決算発表などを支えにどこまで戻りを試せるかがポイントとなりそうです。

なお、本日は引け後にオービック(4684)やニデック(6594)などが決算を発表する予定です。また、23日の米国ではテスラ[TSLA]などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)