・3月19日の日銀の利上げの後、同20日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)が開かれ、「予想よりハト派の結果だった」との評価から米金利が低下した。このため、2年・10年債の日米金利差は縮小した。日米金利差からは、米ドル安・円高に向かってもおかしくはなかった。しかし、現実には米ドル高/円安が進行した。
・米ドル高/円安が進行した原因は、投機筋の米ドル買いとみられる。CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円売り越し(米ドル買い越し)は、1米ドル=146円水準だった1月上旬は縮小していたが、3月になって拡大している。
・長期的に見れば、円売り越し(米ドル買い越し)は日米政策金利差と連動している。日銀が17年ぶりに利上げをしようと、日米政策金利の差は歴史的な高水準である5%に達しており、同時に、円売り越し規模は史上空前となっている。
・ただ、円安が極端に進むようならば、為替介入の可能性もある。過去の為替介入は、9月の中間決算期に行われており、急激な為替変動を防ぐ意味合いがあったのではないか。現在は3月であることから、同様のことが考えられる、また、現在の米ドル/円は5年間移動平均ともかい離している。目先で高値更新は考えにくいのでは。