先週の暗号資産市場は大幅続落となりました。直近高値からBTCは15-16%、ETHは20%、アルトコインは20%以上の調整を行い、海外のレバレッジ市場はすっかりストップロス祭りとなりました。海外市場のOI(オープン・インタレスティング)も過熱感がなくなり、市場はニュートラルとなったように感じます。

BTCの半減期まで残り1ヶ月を切りましたが、これらの期待が十分織り込まれ、引き続き調整相場が続くと見ています。

BTC(ビットコイン)はポジション縮小しつつ押し目買いトレード戦略

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャートです。SMA30(黄色)にサポートされながら週末を超えました。一時920万円付近まで下値を押しましたが、そこから100万円ほど反発し、950−1020万円の激しい値動きが繰り返されています。

MACDはデッドクロスし、ミドルラインに向かって下げている最中です。ここからのシナリオですが、無難な予想としては下落or三角保合レンジのいずれかではないでしょうか。というのも、2024年に入ってからの上昇率が過去と比較してもまれに見る高騰具合だったこと、米国のETFの資金流入量が4日連続でマイナスに転じたこと、さらに半減期が明らかに近づいている買い材料にも関わらず下落に転じたことからです。買い材料は全てを織り込み、新たな売り材料が出てきたと思われます。

よって、三角保合形成的な値動きを願いながらも、下値拡大にも警戒したトレードが望ましいのではないでしょうか。MACDは0.00付近まで下落するまで、もうしばらく上値が重くなる展開を予想します。

SMA30を割り込んでクローズした場合は一段の調整下落にも警戒し、4時間足を見ていきましょう。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY4時間足チャート分析に切り替えます。三角保合を形成中で、SMA90(水色)とSMA200(橙)にも挟まれて推移しており、方向感を失いつつあります。しかし、このレンジ幅はまだ大きく、ざっと950-1020万円です。買いも売りもレバレッジトレードで取れるような値幅であるため、もう1往復ぐらい値動きがあってもおかしくはないでしょう。

今週前半から半ばにかけて、今一度950-960万円付近にまで下押しすると予想し、持っているポジションは縮小するイメージでトレードに向かうとよいかもしれません。三角保合の下限ラインおよびSMA200と相談しながら、押し目買いトレードを実行していくとよいのではないでしょうか。

ETH(イーサリアム)は目先の上昇は期待できずか?レジスタンスが多く買いトレードは控えめに

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY日足チャートです。SMA30(黄色)を下回っており、上昇の上値の目処はこのSMA30付近と予想します。MACDはすでに調整を終えようとしており、今週後半には0.00ラインまで下落しそうです。

デンクンアップデートも終え、調整相場再開となるのか、大きく上昇するのか、判断が難しいところです。BTCからアルトコインに資金が向かえば、アルトコインターンがしばらく続くかもしれません。あるいはまたBTCターンであれば、BTCだけが上昇する期間が続くことも考えられます。

目先、BTCの値動きは、調整相場入り(レンジ相場入り)となる場合、アルトコインも同じく軟調になるケースが多く見られます。よって、買いトレードは控えめとし、ポジション縮小する方向で今週は望んだほうがよいかもしれません。

このシナリオを前提に、4時間足を見ていきます。

出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY4時間足です。SMA200が上値抵抗線となっており、かつ下降トレンドラインも存在しています。さらにその上にはSMA90が控えており、日足でもSMA30が重なる水準です。

今週はテクニカル的にレジスタンス条件が多すぎるため、ETHの上値はかなり限定的かもしれません。現状レベルから54万円にかけて売り場と考え、買いトレードは控えめにいきたいと思います。持っているポジションを半分さらに縮小し、今一度45-48万円付近まで下押しを予想しつつ、深い押し目買いを狙う展開がよいかもしれません。

今週も引き続き調整相場を意識し、持っているポジションを縮小、そして再度押し目を拾いにいくスタンスで戦略をまとめたいと思います。