【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 38,791.35 △130.30 (3/7)
NASDAQ: 16,273.38 △241.83 (3/7)
1.概況
米国市場はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を受けて利下げ観測が強まるなかハイテク株を中心に買いが入り続伸となりました。123ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に249ドル高まで上昇した後伸び悩むと昼過ぎに69ドル高まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと結局130ドル高の38,791ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数が52ポイント高の5,157ポイントとなり1日に付けた史上最高値(5,137ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も241ポイント高の16,273ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は改善を見込んでいた市場予想に反して前週比横ばいの21万7000件となりました。一方で10-12月期の米労働生産性指数改定値は年率換算で前期比3.2%上昇し市場予想を上回りました。1月の米貿易収支の赤字額は前月比5.1%増の674億ドルとなり、1月の米消費者信用残高も前月比195億ドル増となっています。また、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は上院での議会証言で、利下げに着手するために必要なインフレ低下に対する確信は「そう遠くない」将来に得られるとの考えを示しています。さらに欧州中央銀行(ECB)理事会は政策金利を4会合連続で据え置くことを決めています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、情報技術とコミュニケーション・サービスが2%近く上昇したほか、素材も1%以上上げました。一方で金融と不動産の2業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではインテル[INTC]が3%を超える上昇となったほか、アメリカン・エキスプレス[AXP]も2%以上上げました。アマゾン・ドット・コム[AMZN]も2%近く上昇しています。一方でアムジェン[AMGN]とベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株が高く目標株価の引き上げを受けてエヌビディア[NVDA]が4%を超える上昇となり上場来高値を更新し、クアルコム[QCOM]も4%以上上げました。投資判断と目標株価の引き上げを受けてマイクロン・テクノロジー[MU]も3%を上回る上昇となっています。主力ハイテク株も堅調でフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]が3%以上上げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]も2%を超える上昇となりました。ネットフリックス[NFLX]も2%近く上げ、テスラ[TSLA]も1%以上上昇しています。また、新興電気自動車(EV)のリビアン・オートモーティブ[RIVN]も買いの投資判断を受けて13%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い4.08%となりました。ドル円は148円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。今晩に米雇用統計の発表を控え様子見となりやすいなかで日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日は3ヶ月に一度のメジャーSQです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)