日経平均は昨日史上初の4万円を超え、今日もなんとか4万円台を維持して引けました。(4万円突破コメントはこちら)しかし街では、好景気の実感がないという声が多いようです。街に限らず、証券業界の中でも、バブル期のような高揚感はありません。何故でしょう?

それは、株価上昇のメリットが全国民にはシェアされてないからとか云われますが、実際には年金資産の増加等で全国民的に恩恵を受けています。高揚感がない一番の理由は、「人の心理は過去数年の移動平均線に影響を受けるから」だと私は思っています。

バブル期は、戦後からずっと株価が上がり経済が膨張し続けた40年間の最後に来ました。大戦敗戦からたった23年間で日本は世界第2位の経済大国になり、その後も成長を続けました。過去数年移動平均線は、株価も経済も上がり続けていたのです。だから大きな高揚感があった。翻って今はどうでしょう?この2ヶ月間、株価は大きく上げています。この1年半くらいで見ても、株価も上がり、日本経済や企業構造も変化をしているように見えます。インフレ、価格転嫁、賃上げ、設備投資。様々な前向きのことが起きていますが、それはまだせいぜいこの2年のことであり、過去数年移動平均、例えば5年の移動平均線で見ると、ようやくちょっと上向き掛けたところです。だからまだ高揚感がない。人間は慣れる動物なのです。

あと1年この状態が続けば、株価や経済の移動平均線は大きく上昇をし、そして多くの人はそれを実感するでしょう。満足感、そしていずれ高揚感。逆に云うと、それまでまだまだ時間が掛かると云うことです。と云うことは、乗り切れてない人が大勢いますから、上昇はまだこれからだとも云えます。4万円突破コメントに書いたように、しかし変化に対する意欲を失ったら、高揚感どころか満足感に至る前にこの株価と経済の上昇は止まって反落してしまうかも知れません。しっかりと変化を続けることが何よりも大事ですね!