東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日ぶりに反落となりました。50円安の39,189円で寄り付いた日経平均は昨日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開がしばらく続きましたが、9時50分頃から売りが優勢になると10時10分過ぎには164円安の39,075円まで下落しました。その後下げ渋ると後場に入って再び昨日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開となりましたが、上値は重く結局31円安の39,208円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ディー・エヌ・エー(2432)が24.4%上昇しストップ高となりました。任天堂(7974)の持ち分法適用会社でゲーム企画のポケモン社がスマホ向けゲームアプリ「ポケモントレーディングカードゲーム ポケット」を2024年に配信すると発表し、その開発を担当しているディー・エヌ・エーに物色の矛先が向かいました。東京電力ホールディングス(9501)も一時7.4%高となりました。米格付け会社が東京電力ホールディングスの格付け見通しを「ネガティブ」から「安定的」に引き上げたと発表したことで買いが優勢となりました。アキレス(5142)も一時10.4%高となり昨年来高値を更新しました。自己株式を除く発行済株式総数の5.55%にあたる80万株、16億円を上限とした自社株買いを発表したことで大幅高となりました。東証スタンダード市場では「ケンタッキーフライドチキン」を運営する日本KFCホールディングス(9873)が一時19.3%上昇しストップ高となり昨年来高値を更新しました。三菱商事(8058)が日本KFCホールディングスの全保有株式を売却する検討を始め、近く実施する入札に外資系ファンドや外食大手などが応札するもようだと伝わったことで、外資系ファンドなどによるさらなる株の買い増しなどを期待した買いが入りました。一方で明電舎(6508)が一時5.5%安となりました。社会システム事業セグメントを中心に工程の遅れによる売上計上時期の後ろ倒しなどが発現していることなどから2900億円とみていた通期の売上高の見通しを2850億円に下方修正したことで売りが優勢となりました。さらに目標株価の引き下げを受けてナブテスコ(6268)が一時3.8%安となったほか、投資判断と目標株価の引き下げを受けてオムロン(6645)も一時5.3%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は31円安となりました。昨日の米国市場が高安まちまちとなり材料に乏しいなかで一日を通して方向感に欠ける展開となり小幅に下げて取引を終えました。しかし、昨日時点での25日移動平均線との乖離率が5%超となり短期的な過熱感があったことからするとスピード調整とみることもできそうで、下げ渋ったことから最高値更新への期待は依然として高いといえそうです。なお、日本時間の22時30分には10-12月期の米実質国内総生産(GDP)改定値が発表される予定です。また、27日の米国ではセールスフォース[CRM]の決算発表も予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)