上向きの5日移動平均線上を維持、上昇トレンドは継続中

前回のコラムでは、「5日移動平均線上を維持するようですと、5日移動平均線の上向きが継続することになり、過去最高値の更新期待が高まる」と解説しました。

そして、2月21日に一旦5日移動平均線を下回る場面がありましたが、5日移動平均線が上向きを続けたことや、翌2月22日に5日移動平均線上を回復して大幅高となったことから、一気に過去最高値を更新する結果となりました。

またその後は2月27日現在まで、3営業日連続で過去最高値を更新し続けています。このような値動きだと、気になるのは大台の4万円に乗せることができるのかどうか、ということになりますが、テクニカル的なポイントはどこにあるのでしょうか。

1つはこれまで同様に、上向きの5日移動平均線上を維持できるか、ということだと思われます。仮に5日移動平均線上を維持するようですと、5日移動平均線が上向きを維持することになり、4万円台が視野に入ってきます。

また、先週のように一時的に5日移動平均線を下回っても、5日移動平均線が上向きを継続し、直ぐに5日移動平均線上を回復した時も同様です。

一方で、5日移動平均線を下回って戻せなくなってくるようですと、5日移動平均線が下向きに変化して上値の重石になり、4万円乗せが短期的には難しくなるのではないかと思われます。

そして、もう1つのポイントがモメンタムです。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※ 移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムは高水準でもち合いが続く

上昇や下落の勢いを示唆するモメンタムを見ますと、モメンタムの水準は徐々に切り上がってきているものの、1月22日につけた高い水準に届いていないことが分かります。

このような動きは、「逆行現象」が発生する可能性を示しており、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が下向きに変化して低下が続いた場合に注意が必要になります。

ただ、モメンタムとシグナルの両方が低下しても、株価が上向きの5日移動平均線上を維持している間は上昇トレンドが継続中と考えられるため、モメンタムの低下による下落の可能性は低いと考えられます。

その反面、2本線の低下とともに株価が5日移動平均線を下回ったり、5日移動平均線下向きに変化したりした時は、上昇の勢いが弱まるとともにトレンド転換の可能性が高まるため、利益確定を優先させるなどして売りそびれを避ける必要があります。

さらに押し目買いについても、下げ止まりを確認することに加え、株価が5日移動平均線を上回り、上向きに変化するまでは控える必要が出てくるのではないかと思われます。

果たして、日経平均は史上初の4万円乗せを見ることができるのか、テクニカル指標をチェックし、売買判断に役立てたいところです。