大幅高後の足踏みと5日移動平均線割れ

前回のコラムでは、「5日移動平均線上を維持するようだと、終値で38,000円台を回復することが視野に入る」と解説しましたが、その後反落する場面があったものの、上向きの5日移動平均線上を維持するとともに、株価水準を切り上げ38,000円台に乗せて維持しているのが分かります。

ただ一方で、先週2月16日の取引時間中に38,865円をつけ、終値ベースの過去最高値に接近しましたが、上ヒゲを形成して伸び悩んでいます。また、今週に入ってから2月19日と20日の2日間は、上向きの5日移動平均線上を維持しているものの5日移動平均線の上昇角度が緩やかになっており、5日移動平均線割れに注意が必要になってきているのではないかと思われます。

そのため今週は、5日移動平均線上を維持できるかが注目ポイントとなります。仮に5日移動平均線上を維持できずに割り込んだり、割り込んだ後、5日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になったりするようですと、短期的下降トレンドが発生して上向きの25日移動平均線辺りまで下落することが視野に入るため、押し目買いは控えるようにしたいところです。

一方で、5日移動平均線上を維持する場合、5日移動平均線の上向きが継続することになり、過去最高値の更新期待が高まると思われます。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※ 移平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムの逆行現象の完成に要警戒

そのような中、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを大きく上回って推移しているものの、モメンタムが下向きに変化してシグナルを下回っているのが分かります。

このように、株価は直近の高値を更新中であるにも関わらず、モメンタムの水準が前の高い水準に届かない状態が続いて2本線が低下するようですと、上昇の勢いが弱まるとともに、「逆行現象」が完成することになるため、買いポジションを持っている投資家は下降トレンドの発生に注意が必要です。

特に、株価が5日移動平均線を割り込んで戻せなくなり、モメンタムに続いてシグナルも下向きに変化して逆行現象が完成するようですと、日経平均の上昇が一服して一旦上向きの25日移動平均線辺りまで下落することが考えられ、買いポジションを持っている投資家は売り時を逃さないようにすることに加え、押し目買いは慎重に行う必要があると思われます。