東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて3日ぶりに反落となりました。105円安の36,249円で寄り付いた日経平均は直後に69円安の36,284円を付けた後下げ幅を広げると10時20分前に288円安の36,065円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると240円安の36,114円で前場を終えました。225円安の36,128円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を縮め14時10分前に59円安の36,294円まで持ち直しましたが、戻し切れないと引けにかけて再び下げ幅を広げ結局193円安の36,160円で取引を終えています。一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

13時25分に第3四半期決算を発表したトヨタ(7203)が一時5.2%高となり上場来高値を更新しました。為替の想定レートを円安方向に見直したことや、原価改善や営業面の努力などにより4兆5000億円とみていた通期の営業利益の見通しを4兆9000億円に上方修正したことで大幅高となりました。また、同じく第3四半期決算を発表し通期の営業利益の見通しを上方修正した住友電気工業(5802)や西松建設(1820)も昨年来高値を更新しました。住友電気工業は自動車の世界生産台数の回復に伴い主力のワイヤハーネス(組み電線)などの販売が伸びることや、コスト削減の効果もあり2000億円とみていた通期の営業利益の見通しを2150億円に引き上げたことで一時4.8%高となりました。西松建設も売上高の上振れにより不動産事業等総利益が想定を上回る見込みであることなどから150億円とみていた通期の営業利益の見通しを165億円に上方修正したことで一時7.7%高となっています。一方で第3四半期決算を発表し通期の営業利益の見通しを下方修正したオムロン(6645)やヤマトホールディングス(9064)が大幅安となりました。オムロンは制御機器事業で中国の電池や半導体関連の設備投資需要が低迷していることなどから450億円とみていた通期の営業利益の見通しを240億円に引き下げたことで15.3%下落しストップ安となりました。ヤマトホールディングスも宅配便収入が想定を下回り、国際輸送も減少が続くことなどから650億円とみていた通期の営業利益の見通しを400億円に引き下げ、一転して減益予想となったことで一時9.7%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は193円安となりました。早期の利下げ期待が後退し昨日の米国市場が反落となったことから売りが優勢となりました。上方修正に踏み切ったトヨタの決算発表を受けて後場には59円安まで持ち直す場面もありましたが、戻し切れないと下げ幅を広げ結局200円近い下落となりました。しかし、昨日時点での東証プライム市場の騰落レシオが132%超となり買われ過ぎとなっていたことからすると必要な日柄調整だとみることもできそうです。なお、3月決算企業の第3四半期決算発表が今週に入って一段と本格化しています。本日も引け後にはLINEヤフー(4689)やJFEホールディングス(5411)、ダイキン工業(6367)、リコー(7752)、任天堂(7974)、三菱商事(8058)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)