東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。261円高の36,419円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分弱で294円高の36,452円まで上昇した後伸び悩むと10時20分前に54円高の36,213円まで上げ幅を縮めました。しかし、マイナスになることなく踏み止まると切り返し200円高の36,358円で前場を終えました。240円高の36,398円でスタートした後場の日経平均は直後に255円高の36,413円を付けた後13時40分過ぎに156円高の36,314円まで上げ幅を縮めましたが、その後やや持ち直すと結局196円高の36,354円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
パナソニックホールディングス(6752)が一時7.2%高となりました。米国内での電気自動車(EV)向け電池の生産を優遇する米インフレ抑制法(IRA)による補助金を計上したことや、自動車部品が堅調だったことなどにより第3四半期の営業利益が前年同期比で36.7%増となったことから大幅高となりました。同じく第3四半期決算を発表した三越伊勢丹ホールディングス(3099)やセイコーエプソン(6724)も買いを集めました。三越伊勢丹ホールディングスは都心の店舗を中心に高額品の販売が伸びていることなどから480億円とみていた通期の営業利益の見通しを500億円に上方修正したことや、自己株式を除く発行済み株式総数の2.9%にあたる1100万株、150億円を上限とする自社株買いを発表したことから一時10.5%高となり昨年来高値を更新しました。セイコーエプソンも第3四半期9ヶ月間累計の営業利益は前年同期比で37.4%減となりましたが、第3四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で1.6%増と増益に転じたことから一時11.1%高となりました。また、1月の米雇用統計が強い内容となり日米金利が上昇したことからメガバンクが高く、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時3.5%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時1.7%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時4.2%高となり、三菱UFJフィナンシャル・グループとみずほフィナンシャルグループは昨年来高値を更新しています。さらに米長期金利の上昇を受けて円安となったことで自動車株も高く、トヨタ(7203)が一時1.9%高、日産(7201)が一時3.8%高、ホンダ(7267)が一時3.6%高、マツダ(7261)が一時4.8%高、SUBARU(7270)も一時2.8%高となっています。一方で第3四半期決算を発表したミネベアミツミ(6479)が一時7.0%安となりました。スマホ向けカメラ用アクチュエーターなどの販売が振るわないことなどから770億円とみていた通期の営業利益の見通しを700億円に下方修正したことで大幅安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は196円高となりました。先週末の米国市場が続伸となり、ダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。朝方には290円以上上げる場面もありましたが、先週末同様に節目の36,500円を前に伸び悩みました。そのため今週は一段と本格化する決算発表を支えに36,500円や昨年来高値(36,546円)を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、本日も引け後には住友電気工業(5802)や三菱電機(6503)、オムロン(6645)、三菱UFJフィナンシャル・グループなどが決算を発表する予定です。また、明日は取引時間中の13時25分にトヨタが決算を発表する予定で注目を集めそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)