東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米ハイテク株高を受けて4日ぶりに反発となりました。447円高の35,913円で寄り付いた日経平均は9時40分前に610円高の36,076円を付けるなど節目の36,000円を上回る場面もありましたが、36,000円を上回ったところでは上値が重く伸び悩むと後場に入り14時前には323円高の35,790円まで上げ幅を縮めました。しかし、その後引けにかけて持ち直すと結局497円高の35,963円で取引を終え15日に付けた昨年来高値(35,901円)を更新しています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%を超す大幅高となったことで半導体関連株が買われました。東京エレクトロン(8035)が一時6.2%高、SCREENホールディングス(7735)が5.9%高、アドバンテスト(6857)が一時9.5%高、レーザーテック(6920)が一時4.0%高、ディスコ(6146)が一時4.5%高、SUMCO(3436)が一時6.9%高、イビデン(4062)も一時6.0%高となりました。東京エレクトロンとSCREENホールディングス、アドバンテスト、ディスコが上場来高値を更新し、SUMCOも昨年来高値を更新しています。積水ハウス(1928)も一時2.9%高となりました。米国の住宅会社M.D.C.ホールディングスを約49億ドルで買収すると発表し、この買収で住宅の引き渡し数が2022年度の合算ベースで年1万5000戸まで拡大し、全米5位に相当する大手の一角となることから買いが優勢となりました。太平洋金属(5541)も一時6.1%高となりました。2024年1-3月期に投資有価証券売却益10億9900万円を計上すると発表したことを好感した買いが入りました。居酒屋を運営するヨシックスホールディングス(3221)も一時9.3%高となりました。2023年12月の既存店売上高が前年同月比で22.8%増と高い伸びとなったことで大幅高となりました。一方でTOYO TIRE(5105)が一時19.4%安となりました。ホンダの人気車種「N-BOX」向けに、TOYO TIREが契約で定められた管理基準から大幅に外れた数値の部品を納入していると伝わったことから売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は497円高となりました。半導体受託生産の台湾のTSMC[TSM]が示した強気の業績見通しを受けて半導体株を中心にハイテク株に買いが入り昨日の米国市場が反発したことから大幅高となりました。一時は600円以上上昇し節目の36,000円を上回る場面もありましたが、高値警戒感から36,000円を上回ったところでは上値が重く伸び悩むと36,000円を小幅に下回って取引を終えました。したがって短期的な過熱感があるなかで36,000円を超えて水準を切り上げることができるかが来週もポイントとなりそうです。なお、日本時間の20日午前0時には1月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値や12月の米中古住宅販売件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)