東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に反発となりました。117円高の33,257円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分余りで234円高の33,375円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと9時50分前に26円高の33,166円まで上げ幅を縮め64円高の33,204円で前場を終えました。100円高の33,240円でスタートした後場の日経平均はさらに弱含み大引け間際に11円高の33,151円まで上げ幅を縮めると結局28円高の33,169円で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

山崎製パン(2212)が一時8.6%高となりました。外出・旅行機会の増加に伴いコンビニなどでパンを買う機会が増えていることなどにより菓子パンを中心とする包装パンの販売が値上げ後も好調を維持していることなどから340億円とみていた2023年12月期の営業利益の見通しを395億円に上方修正したことで買いが優勢となりました。藤田観光(9722)も8.7%高となりました。訪日外国人数の増加に伴いインバウンド市場で需要回復が継続していることなどから48億円とみていた2023年12月期の営業利益の見通しを63億円に引き上げたことで買いを集めました。バイオ創薬のペプチドリーム(4587)も一時11.3%高となりました。国立研究開発法人・量子科学技術研究開発機構発の新興企業で、放射性物質を使うがん治療薬を開発するリンクメッドと開発や商業化について提携することで合意したと発表したことから買いを集めました。福利厚生サービスのベネフィット・ワン(2412)も一時6.5%高となりました。ベネフィット・ワンに対するTOB(株式公開買い付け)の実施を表明している第一生命ホールディングス(8750)がTOB価格を1株あたり2,123円に決めたと発表したことから大幅高となりました。

また、九州フィナンシャルグループ(7180)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時7.7%高となったほか、小田急電鉄(9007)も自己株式を除く発行済み株式総数の1.64%にあたる600万株、150億円を上限とした自社株買いを発表したことから一時4.5%高となりました。一方でアシックス(7936)が一時6.6%安となりました。昨日の米国市場の取引終了後に決算を発表したナイキ[NKE]が通期の売上高の見通しを引き下げたことにより時間外取引で急落したことからアシックスに連想売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は28円高となりました。利下げ期待が改めて高まったことや、米マイクロン・テクノロジー[MU]の好決算を受けて半導体株が買われたことで昨日の米国市場が上昇したことから反発となりました。一時は230円以上上げ25日移動平均線(33,172円)を上回る場面もありましたが、買い一巡後に伸び悩むと25日移動平均線を下回って取引を終えました。そのため上値の重さが意識されそうで、掉尾の一振への期待もやや後退しそうです。なお、日本時間の22時30分に11月の米耐久財受注額や米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視する11月の米個人消費支出(PCE)物価指数が発表されるほか、23日午前0時には12月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値や11月の米新築住宅販売件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)