円安一服、円高の流れが継続

週明け12月4日の日経平均は200円安となり、一時は心理的節目の33,000円に迫る場面がありました。先週末の米国市場ではダウ平均に続き、S&P500が年初来高値を更新。続けて、ハイテク株主体のナスダックも今週は高値更新だろう、という見立てができる中、やはり寄り付き直後の急落には違和感がありました。

しかし最近は、米国株が堅調な中でも、夜間で取引される日経先物はあまりポジティブな反応はしません。それは円安が一服し、円高の流れが続いているからです。

12月4日の取引が始まる直前、米ドル/円は1ドル=146.21円まで円高が進む場面がありました。米国株高と円高の強弱材料が拮抗する迷いのスタートだったのですが、そのような投資家心理をついた断続的な先物売りが急落に繋がったと見ています。国内企業の好決算内容は円安寄与分が大きかっただけに、円高は業績改善に歯止めをかけるとの見方を引き出す、株売りの根拠が働きます。

米ドル/円は目先の正念場へ。2024年前半は1ドル=140円前後の円高となるか?

さて、米ドル/円は目先の正念場に来ています。2023年の3月安値(129.63円)を起点に7月安値を通る右上がりのトレンドラインまで円高が進みました。ここは下値のフシになり得るため、まずは目先の反転上昇(円安)を見込むことができる水準です。

一方で、2023年の米ドル/円の上げ下げのリズムを簡単に説明すると下記のようになります。

1. 1月16日安値127.21円~3月8日高値137.91円まで10.70円の円安(上げ1波)
2. 3月8日高値~3月24日安値129.63円まで8.28円の円高(下げ2波)
3. 3月24日安値~6月30日高値145.07円まで15.44円の円安(上げ3波)
4. 6月30日高値~7月14日安値137.23円まで7.85円の円高(下げ4波)
5. 7月14日安値~11月13日高値151.92円まで14.69円の円安(上げ5波)

要するに2023年の円安波動は、安値から「上げ1波→下げ2波→上げ3波→下げ4波→上げ5波」の基本5つの波動をすでに達成したことが考えられます。

2022年10月高値151.94円から2023年1月安値まで24.73円の円高が生じました。2023年1月安値からの戻りで5の高値151.92円をつけ、ほぼ全値戻しを達成しました。一方で、2022年10月高値からの円高の時間軸に対して、2023年1月安値からの円安方向への時間軸が約3倍かかったことで、体力的な余力という点では当面の円安方向への動きが生じにくくなっている可能性が高いのです。

そのため、一旦円安方向に少し戻したとしても、再び円高方向に反転し、2024年の前半には1ドル=140円前後までの円高を想定する必要があると見ています。ただ、その円高は長期波動の中の主波動ではなく、あくまでも2023年の円安を調整する円高修正という認識ではないかと見ています。