東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日ぶりに反落となりました。120円安の33,399円で寄り付いた日経平均はまもなくしてプラスに転じると9時20分過ぎに94円高の33,614円まで上昇しましたが、上げ幅を三桁に広げることなく伸び悩むとマイナスとなり11時10分過ぎには285円安の33,233円まで下落しました。しかし、その後下げ渋ると後場に入って持ち直し結局95円安の33,424円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が小幅に下落となっています。
2.個別銘柄等
リクルートホールディングス(6098)が一時9.8%高となりました。米投資ファンドで物言う株主(アクティビスト)として知られるバリューアクト・キャピタルが発行済み株式総数の1%にあたる1800万株超のリクルートホールディングス株を取得したと発表したことで大幅高となりました。日産(7201)も一時4.2%高となりました。日産が出資する電気自動車(EV)の新会社「アンペア」を2024年前半に上場させると仏自動車大手のルノーが発表したことで買いが優勢となりました。ENEOSホールディングス(5020)も3.6%高となりました。仏産業ガス大手のエアリキードと水素事業で協業すると発表したことを材料視した買いが入りました。ホームセンター大手のDCMホールディングス(3050)も一時4.4%高となりました。イオン(8267)がDCMホールディングスの株式を46億円で追加取得すると発表したことから上げ幅を広げる場面がありました。一方でコロワイド(7616)が4.3%安となりました。焼き肉チェーン「牛角」のフランチャイズチェーン(FC)店で食中毒が発生したことが懸念され売りが優勢となりました。また、アルプスアルパイン(6770)が目標株価の引き下げを受けて一時2.9%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は95円安となりました。10月の米卸売物価指数(PPI)の伸びが鈍化し市場予想を下回ったことで昨日の米国市場は続伸となりましたが、日経平均は昨日に820円以上上げ今年最大の上げ幅となった反動で売りが優勢となりました。しかし、25日移動平均線との乖離率が昨日時点で5.2%まで広がり短期的な過熱感があったことからすると必要なスピード調整だとみることもできそうで、押し目買いが入り下げ渋ったことから一段高への期待は依然として高いといえそうです。なお、日本時間の22時30分に米新規失業保険申請件数や11月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月の米輸出入物価指数が発表されるほか、23時15分には10月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。また、16日の米国ではウォルマート[WMT]やアプライド・マテリアルズ[AMAT]が決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)