米メタ・プラットフォームズ[META]が10月25日に発表した2023年7-9月期の決算は、売上高が前年同期比23%増の341億4600万ドル(約5兆1300億円)で、3四半期連続の増収となった。

増収率は2021年10-12月期以降で最大。米ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、メタは上場以来最高の四半期売上高を達成した。純利益は同2.6倍の115億8300万ドル(約1兆7400億円)。1株利益は4.39ドル(前年同期は1.64ドル)で、売上高と共に市場予想を上回った。

 

インターネット広告事業の回復が鮮明となり、2022年から続けてきたコスト削減策も寄与した。この決算を受けて、2023年10月25日の米株式市場の時間外取引でメタの株価は5.5%上昇した。

インターネット広告24%増収

全体の98.5%を占めるネット広告事業の売上高は336億4300万ドル(約5兆500億円)で、前年同期から24%増加した。グループ全体のサービスの2023年9月における日間アクティブ利用者数は31億4000万人で、前年同月から7%増えた。SNS(交流サイト)「Facebook(フェイスブック)」の日間アクティブ利用者数は20億9000万人で同5%増加した。

事業部門別売上高は、ネット広告とアプリ関連サービスを合わせた「Family of Apps(ファミリー・オブ・アプス)」が前年同期比24%増の339億3600万ドル(約5兆900億円)。次世代コンピューター基盤として投資を続けるメタバース関連事業「Reality Labs(リアリティー・ラボ)」は同26%減の2億1000万ドル(約315億円)だった。同事業の営業損失は37億4200万ドル(約5600億円)で、赤字額は拡大した(前年同期は36億7200万ドルの赤字)。

広告売上高、全地域で2桁成長

地域別のネット広告売上高は、米国・カナダが同17%増の149億5600万ドル(約2兆2500億円)となり、7〜9月期ながらほぼ150億ドルを達成した。

このほか、欧州は同35%増の77億2100万ドル(約1兆1600億円)、アジア太平洋地域は同19%増の68億2900万ドル(約1兆300億円)、アフリカなどその他の地域は同36%増の41億3700万ドル(約6200億円)だった。

リストラ効果で営業経費7%減

一方、営業経費は203億9800万ドル(約3兆600億円)となり、前年同期から7%減った。2023年9月末時点の従業員数は6万6185人で、1年前から24%減少した。メタは2022年11月に当時の従業員の約13%に当たる1万1000人超のレイオフ(一時解雇)を発表。2023年3月には、約1万人の従業員を追加削減すると明らかにし、2回目の大規模解雇に着手した。

2023年のレイオフ計画は9月30日までにほぼ完了しており、今後は施設の統合とデータセンターの再構築といった取り組みを検討する。

2023年通年の総費用見通しは、870億~890億ドル(約13兆600億〜13兆3600億円)の範囲で、従来見通しの880億~910億ドルから引き下げた。これには、施設統合費用や退職金、その他の人件費に関連する約35億ドル(約5300億円)の再編費用が含まれる。

※1ドル=150.11円で換算