東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日続落となりました。151円安の31,607円でスタートした日経平均は寄り付きを高値に下げ幅を広げると10時30分に498円安の31,260円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後にやや持ち直すと393円安の31,365円で前場を終えました。419円安の31,340円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げると14時10分前には602円安の31,157円まで下落しました。その後は下げ渋りましたが、引き続き安値圏で推移すると結局521円安の31,237円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となり1月4日に付けた年初来安値(712ポイント)を更新しています。

2.個別銘柄等

原油先物価格の下落を受けて石油関連株が売られました。INPEX(1605)が一時7.4%安、石油資源開発(1662)が一6.4時%安、出光興産(5019)が一時5.8%安、ENEOSホールディングス(5020)が一時6.1%安、コスモエネルギーホールディングス(5021)も5.3%安となりました。第3四半期決算を発表した中古車販売のネクステージ(3186)も一時11.0%安となりました。ビッグモーターの不正問題をきっかけに来店客数が減少し販売台数が予想を下回る見込みとなったことなどにより250億円とみていた2023年11月期の営業利益の見通しを180億円に下方修正し一転して減益予想となったことから売りが膨らみました。象印マホービン(7965)も一時10.6%安となりました。円安の進行による部品の仕入れ価格上昇や販管費の増加により第3四半期の営業利益が前年同期比で8.1%減となったことから売りがかさみました。

また、東証スタンダード市場ではワークマン(7564)が秋冬物が前年実績を大幅に下回ったことなどで9月の既存店売上高が前年同月比6.0%減となり3ヶ月ぶりに前年を下回ったことから一時5.2%安となっています。一方でデータセンター運営のさくらインターネット(3778)が一時9.1%高となりました。全国の自治体や中央省庁が共通の基盤上でシステムを運用する「ガバメントクラウド(政府クラウド)」に参入する方針を固めたと伝わったことで将来の収益貢献を期待した買いが入りました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は521円安となりました。昨日の米国で長期金利が一時2007年10月以来16年ぶりの高水準を付け、国内の長期金利も一時2013年9月以来10年1ヶ月ぶりの高水準を付けるなか国内外での金利上昇を警戒した売りが出て続落となりました。節目の31,500円を割り込み下げ幅を広げ8月18日に付けた取引時間中の安値(31,275円)を下回りました。そのため警戒ムードが一段と強まりそうですが、4日間で1,100円以上も下げたことから明日以降の自律反発に期待したいところです。なお、日本時間の23時には8月の米雇用動態調査(JOLTS)が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)