【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,907.11  △331.58 (9/14)
NASDAQ: 13,926.05  △112.47 (9/14)

1.概況

米国市場は英半導体設計のアーム・ホールディングス[ARM]の上場が好調な滑り出しとなったことで投資家心理が改善し上昇しました。111ドル高でスタートしたダウ平均は寄り付きを安値に一日を通して上げ幅を広げると取引終盤に402ドル高まで上昇しました。その後は引けにかけてやや上げ幅を縮めましたが結局331ドル高の34,907ドルで取引を終え3日ぶりに反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も112ポイント高の13,926ポイントと続伸となりました。

2.経済指標等

欧州中央銀行(ECB)は理事会で政策金利を0.25%引き上げることを決めました。これにより利上げは10会合連続となります。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3000件増の22万件となりましたが市場予想ほど悪化しませんでした。さらに8月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.7%上昇し市場予想を上回りました。8月の米小売売上高も前月比0.6%増となり市場予想を上回っています。一方で7月の米企業在庫は前月比変わらずとなり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも不動産と公益事業、素材、エネルギー、コミュニケーション・サービスが1%を超える上昇となり、資本財・サービスも1%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでもゴールドマン・サックス[GS]が3%近く上昇したほか、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]とキャタピラー[CAT]、ダウ[DOW]も2%以上上げました。アムジェン[AMGN]とJPモルガン・チェース[JPM]も2%近く上昇しています。一方でビザ[V]とジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、インテル[INTC]、セールスフォース[CRM]が下げ、ビザは2%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、投資判断の引き上げを受けてクルーズ船のカーニバル[CCL]やノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス[NCLH]が高く、カーニバルが4%余り上げ、ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングスも5%を超える上昇となっています。また、ナスダック市場に上場したソフトバンクグループ(9984)傘下のアーム・ホールディングスは初値が公開価格の51ドルを10%上回る56.10ドルとなり、公開価格を24%以上上回る63.59ドルで取引を終えています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%高い4.29%となりました。ドル円は147円台前半で推移しています

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の33,500円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日は日本時間の11時に中国で8月の鉱工業生産や小売売上高など数多くの経済指標が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)