東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日続落となりました。83円高の32,690円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分後に139円高の32,746円まで上昇しました。しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むと9時10分過ぎにマイナスに転じ14時10分には215円安の32,391円まで下落しました。その後引けにかけてやや持ち直しましたが、引き続き軟調に推移すると結局139円安の32,467円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
日銀の植田和男総裁がインタビューでマイナス金利解除の可能性について言及したことから大手銀行株が揃って年初来高値を更新しました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時4.3%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時5.4%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)が一時4.5%高、三井住友トラスト・ホールディングス(8309)が一時3.5%高、りそなホールディングス(8308)も一時6.7%高となりました。生保株も高くT&Dホールディングス(8795)が一時3.8%高となり年初来高値を更新したほか、第一生命ホールディングス(8750)も一時4.8%高となりました。ソフトバンクグループ(9984)も一時4.0%高となりました。傘下の英半導体設計大手のアームの米ナスダック市場での新規株式公開(IPO)について、仮条件の上限を引き上げることを検討していると伝わったことで買いが優勢となりました。くら寿司(2695)も一時6.7%高となりました。第3四半期9ヶ月間の営業損益は4億円近い赤字となりましたが、外食需要の回復で都市部の店舗を中心に収益性が回復したことから第3四半期3ヶ月間の営業損益が8億円余りの黒字に転換したことから大幅高となりました。
一方で日銀の植田和男総裁の発言を受けて長期金利が上昇したことから大手不動産株が安く、三菱地所(8802)が一時4.7%安、三井不動産(8801)が一時5.3%安、住友不動産(8830)も一時5.2%安となりました。スマホゲームのgumi(3903)も17.7%下落しストップ安となり年初来安値を更新しました。広告費を増やしたことなどで第1四半期の営業損益が6億円を超す赤字に転落したことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は139円安となりました。ハイテク株に買い戻しが入り先週末の米国市場が上昇したことから買いが先行しましたが、一目均衡表の雲の上限(32,744円)をわずかに上回ったところで伸び悩むとマイナスに転じ円高を受けて下げ幅を広げ節目の32,500円や75日移動平均線(32,486円)を割り込みました。そのため上値の重さが意識されそうで、明日以降も売りが優勢となった場合には25日移動平均線(32,285円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)