先週末、中国の不動産大手である中国恒大集団(エバーグランデ)が米連邦破産法15条(チャプター15)の適用をニューヨークの連邦破産裁判所に申請した、との報道がありました。事業再建計画を前提に、米国内の資産を債権者の差し押さえなどから保護するための措置なのですが、それほど経営に行き詰まっている現状が浮き彫りとなりました。
中国恒大集団と言えば、ちょうど2年前に社債の利払い停止問題などで経営が揺らいだ経緯がありましたが、ここへきてまた市場を大きく揺るがす材料となりました。
これを受けてBTCは急落。420万円前後あったBTCは本稿執筆現在(8月21日午前)380万円前後で推移しています。
さらに、もう一つの不安材料として、8月上旬から報道されている、中国不動産開発大手碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)の利払い停止問題があります。アジア最大手といっても過言ではない企業が苦境に立たされています。
BTC(ビットコイン)はSMA200が判断基準
BTC/JPY日足チャートです。現状はSMA200でサポートされて踏ん張りを見せていますが、ここ数日は張り付いて反発さえせず、厳しい値動きとなっています。目先、上昇目安としてはレジスタンスラインの400万円手前が意識される展開です。
SMA30もSMA90も数営業日でこの400万円に近づいてくるでしょう。さらに400万円を下回るなら、この2本が抵抗帯として機能するため、今週後半あたりからは390-400万円と上値が切り下がってくると考えています。
一定の下落は受け入れざるを得ない状況ではないでしょうか。現状は多くの金融商品が売られるフェーズに入るのではないかと個人的には考えています。過去においてリーマンブラザーズ倒産後、1ヶ月程度はゴールドも売られていました。このような流れを一時的に挟み、最終的には買われる流れを予想しています。
よって、短期的には売り目線、9月下旬あたりから再び買い目線に切り替えていく戦略に移行していこうと考えています。
今週は前述通り、390-400万円を売り場とイメージし、現状のSMA200を先に割り込むようならば、ポジションを解消して様子見したいと思います。個人的にはBTCは330-345万円付近までの下落もあり得るのではないかと予想しています。短期的にはショート戦略、前述の価格まで下落した場合は再び買い戦略に切り替えようとイメージしています。
ETH(イーサリアム)も同じく戻り売り戦略へ
続いて、ETH/JPY 日足分析です。ETHも同じく戻り売り戦略になりますので、戻ったところは逃げ場となると予想します。
チャートに記載の通り、レジサポラインが上値の限度だと考えると、良い水準で25万円台前半あたりになるのではないでしょうか。上値が伸びない場合はSMA200が抵抗線として機能するでしょう。すでに割り込んでいることから、上値は24万円台後半が限界かもしれません。ETHに関しては、チャート記載のレジスタンスラインとSMA200、この2つの抵抗帯を意識して戻り売り戦略を意識したいと思います。
また7月18日付の本コラムでレポートした通り、米政府が史上最大の闇サイト「Silk Road(シルクロード)」から押収したBTCの売却がまだ残っています。直近あと3回に分けて年内に売られるとの報道もありますが、この地合いでの売りは判断として難しいでしょう。
よって8月下旬から9月末あたりにもう一度大口売りが入ってくることも想定しておくべきではないでしょうか。上値の重さはより強く、BTCもETHもネガティブなものになると予想します。
目先は持っているポジションの縮小または戻り売りで一時的に戦略を変更し、しっかりとした深い押し目買いを狙う方が得策だと考えます。