7月12日(水)、米政府と関連するウォレットが9825枚相当のBTCを移動したと報じられました。金額にしておよそ3億100万ドル相当になります。これはシルクロードで押収されたBTCの売却に伴う移動です。

19日(水)〜週末にかけてさらに売却される可能性があります。この影響を受けて先週後半からBTC価格が下がっており、上値が重くなっています。

【図表1】BTC/USD 4時間足チャート
出所:Trading View

米政府は過去にシルクロード事件などで押収したBTCの売却を進めています。すでに3月にも同等規模の枚数を売却しており、今回が2回目となりました。

残る売却枚数を計算すると、31,666BTCほどです。年内にあと3回に分けて売却されると考えられます。その場合、2ヶ月おきに売却される可能性があり、暗号資産市場の上値を押さえそうです。2ヶ月後と考えると、次回の売却は9月でしょうか。そのタイミングに注意を払う必要がありそうです。

BTC(ビットコイン)、円建てでは米ドル/円相場変動に注意

【図表2】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析です。

サポートラインは410-415万円レンジを意識することに変わりはありません。その下には400万円のサポートラインやSMA90(3ヶ月移動平均線)が控えています。この2段構えで買い目線を継続したいと思います。

MACDも再び0.00付近まで下がりましたので、高値圏での揉み合い調整も最終段階に入ったと思われます。

7月に入り、米ドル/円レートの変動が円建てBTC価格に影響している点にも注意したいと考えています(図表3参照)。

【図表3】USD/JPY 日足チャート
出所:Trading View

米ドル/円相場は、7月1日に145円手前で推移していましたが、14日に一時137円台まで下落しました。この変動はBTC/USDと比較して、最大5%ほどの影響をもたらします(図表3参照)。

年初や3月下旬ごろ、米ドル/円レートは130円前後で推移しましたので、今後も下落する場合は、さらに円建てBTC価格に影響が出る可能性もあります。その場合、380-400万円までの下落も考えられますので警戒しておいたほうがよいでしょう。

ETH(イーサリアム)、SMA90を意識した押し目買い戦略

【図表4】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、ETH/JPY日足チャート分析です。

シルクロード事件に伴うBTCの売却が直接影響していないため、BTCに比べてETHの下落は緩慢です。連れ安になっているものの、下落率は限定的です。よって、今週よりBTC投資の比率を押さえ、ETHのポートフォリオをアップさせるとよいかもしれません。私は7月中に1:1ぐらいの比率に戻すことを検討しています。

ETHの下落の目安については、SMA90を視野に押し目買い戦略を考えています。さらに割り込む場合は25万円のサポートから買いの準備を始めてもよいのではないでしょうか。今週はこの戦略で臨みたいと思います。