今週(8月11日~8月17日)の相場動向

相場回顧 BTC:米国金利上昇の中、米国株とともに下落

ビットコインは、米7月生産者物価指数が市場予想を上回ったことで米国金利が上昇し、軟調に推移した。米国でアーク・インベストメント・マネジメントが申請するビットコイン現物ETFの審査が延期となり、その他の申請分も延期されるとの懸念から次第に売りが強まった。

一方で、オランダで欧州初となるビットコイン現物ETFが上場したことが話題となったが、相場への影響は限定的となった。アルゼンチンペソが急落する中、自国通貨からの逃避によってビットコインの買いが強まるとの思惑が一時的に広がった。

しかし、堅調な米7月小売売上高や連銀総裁のタカ派的な発言を受けて米国金利がさらに上昇し、ビットコインは米国株とともに下落した。注目された米FOMC議事要旨では追加利上げの必要性に関して参加者間で意見が分かれていたことが明らかになり、金利見通しの不透明感が強まる中でBTC=409万円(28,000ドル)を割り込んだ。

 

来週(8月18日~8月24日)の相場予想

BTCはジャクソンホール会議を控え方向感に乏しい展開か、懸念材料も多し

米国ではFOMC議事要旨の内容を受けて年内の追加利上げに対する懸念が強まっており、次回会合までは経済指標や当局者発言に相場が左右されやすい状況が続くだろう。その中、来週末には各国の中央銀行総裁らが参加するジャクソンホール会議が米国で開催される。

イベントにかけては様子見姿勢が強まり方向感に乏しい展開が続くことが予想される。その後、会議において米パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長がタカ派的な姿勢を示した場合には、米国金利の上昇とともにリスク資産の売りが強まることは考えられる。

米国の金融政策以外のところでも、大手格付機関フィッチ・レーティングスが米国銀行の大半を格下げする可能性を明らかにしたことで、金融機関に対する不安も強まっている。また、不動産の低迷や生産・消費の鈍化などによって中国景気の減速懸念も意識されており、これらの悪材料によって株式市場が大きく下落した場合には暗号資産市場も同様に売りが強まることが予想される。

米国におけるビットコイン現物ETFに関しても、ブラックロックをはじめとする他の申請分も審査延期となれば失望売りが強まるだろう。先週にコインベースのレイヤー2「BASE」が公開されてからロケットスタートを切ったと思ったが、詐欺プロジェクトの発覚が相次いでおり、市場では悲観ムードが広がっている。

直近、上値として下落前のレンジ底値付近であるBTC=409万円(28,000ドル)、下値として今年6月の底値付近であるBTC=365万円(25,000ドル)を意識する。