【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ： 34,765.74 ▼180.65 （8/16）
NASDAQ： 13,474.63 ▼156.42 （8/16）
1.概況
米国市場は連邦公開市場委員会（FOMC）の議事要旨が追加利上げの可能性があることを示す内容だったことから金融引き締めの長期化を警戒した売りが出て続落となりました。31ドル安でスタートしたダウ平均はプラスに転じると朝方に187ドル高まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと昼過ぎにマイナスに転じました。その後下げ渋ると持ち直し小幅にプラスとなる場面もありましたが、FOMC議事要旨の公表を受けて売りが優勢になると下げ幅を広げ結局180ドル安の34,765ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も156ポイント安の13,474ポイントとなっています。
2.経済指標等
7月の米住宅着工件数は年率換算で前月比3.9％増の145万2000戸となり市場予想を上回りました。7月の米鉱工業生産指数も前月比1.0％上昇し市場予想を上回りました。設備稼働率も79.3％と前月から上昇し市場予想を上回っています。また、7月開催の米連邦公開市場委員会（FOMC）議事要旨では、大部分の出席者がインフレのリスクは一段の利上げを必要とする可能性があるとみていることが分かりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が下げました。そのなかでも一般消費財・サービスと不動産、コミュニケーション・サービスが1％以上下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が下げました。そのなかでもイスラエルの半導体受託生産会社の買収を断念すると発表したインテル［INTC］が3％を超える下落となったほか、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス［WBA］とキャタピラー［CAT］、プロクター・アンド・ギャンブル［PG］、マクドナルド［MCD］も1％以上下げています。一方でトラベラーズ［TRV］が1％余り上げています。ダウ平均構成銘柄以外では小売り大手のターゲット［TGT］が決算で1株利益が市場予想を上回ったことなどから3％近く上げています。ディスカウント衣料品のTJX［TJX］も決算が市場予想を上回る増収増益となったことで4％以上上昇しています。テスラ［TSLA］は中国での高級モデルの値下げと、米国での高級モデルの廉価版の発売が明らかになったことで3％余り下げています。
5.為替・金利等
長期金利はFOMC議事要旨が追加利上げの可能性があることを示す内容だったことから0.04％高い4.25％となりました。こうしたなかドル円はさらに円安となり146円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
（マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之）
