【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,630.68  △71.15 (8/1)
NASDAQ: 14,283.91  ▼62.11 (8/1)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均はキャタピラー[CAT]の大幅高を支えに3日続伸となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は長期金利が上昇を受けてハイテク株の一角に売りが出て3日ぶりに反落となりました。26ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に119ドル高まで上昇した後伸び悩むと前日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開となりました。しかし、取引終盤に買いが優勢になると結局71ドル高の35,630ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が12ポイント安の4,576ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も62ポイント安の14,283ポイントとなっています。

2.経済指標等

7月の米ISM製造業景況感指数は46.4と前月から上昇しましたが市場予想を下回りました。6月の米建設支出も前月比0.5%増に止まり市場予想を下回っています。また、6月の米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数は3万4000件減の958万2000件となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、公益事業と一般消費財・サービスが1%以上下落しました。一方で資本財・サービスと情報技術の2業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではキャタピラーが決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことから9%近く上げ、ダウ平均を1銘柄で150ドル余り押し上げました。一方でベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が2%近く下げ、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]とメルク[MRK]、ダウ[DOW]も1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、配車サービス大手のウーバーテクノロジーズ[UBER]が決算で売上高が市場予想に届かなかったことで5%を超える下落となりました。ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス[NCLH]も決算で示した7-9月期の利益見通しが市場予想に届かなかったことから12%余り下げています。さらに他のクルーズ船株にも売りが波及し、なかでもカーニバル[CCL]が4%を上回る下落になっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%高い4.02%となりました。ドル円は143円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料になりにくいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)